妊娠初期 / 妊娠7週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠7週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
善方裕美
監 修

善方裕美 先生

よしかた産婦人科院長
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
横浜市立大学産婦人科客員准教授
母体保護法指定医
日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医

妊娠7週に知っておきたい大切なポイントは?

つわりが本格的になってくるころ。1日中吐き気が止まらなかったり、腹部の圧迫感や疲れやすさを感じたりと、さまざまな妊娠症状が現れます。妊娠7週になると多くの人が赤ちゃんの心拍を確認できるようになります。心拍確認ができたら、自治体に妊娠届を出して母子手帳をもらいにいきましょう。そんな妊娠7週頃に注意しておきたいことや、やっておきたいことをお届けします。

妊娠7週は妊娠何カ月?

妊娠7週は妊娠2カ月の最後の週に当たります。この時期の赤ちゃんはまだ「胎芽(たいが)」と呼ばれていて、妊娠9週から「胎児(たいじ)」と呼ばれるようになります。

妊娠7週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠7週:赤ちゃんの大きさは?

赤ちゃんの大きさは、頭からお尻までの長さが1cmを超えるほどになります。ブルーベリーや小さな豆粒ぐらいのサイズです。

妊娠7週:赤ちゃんの様子は?

頭と胴体の区別が少しずつ出てきます。超音波検査では、小さな心臓がピコピコ動いているのが見えることも。心拍数は1分間に100~160回くらいで、とても速く鼓動しています。

妊娠7週:赤ちゃんの発達は?

妊娠7週には、赤ちゃんの脳、脊髄、脊椎が発達し続け、目と耳が形成され始めます。赤ちゃんの隣には、栄養を与えてくれる「卵黄嚢」が見えます。

妊娠7週:妊婦さんのからだは?

妊娠7週:妊婦さんのからだの様子は?

妊娠7週はつわりが本格化する時期。吐き気や食欲不振が続いたり、特定の匂いに敏感になっています。ホルモンバランスの影響で、イライラしたり、涙もろくなったりと、感情がジェットコースターのようになる人も多いです。この時期は、無理せずゆっくり過ごすことを心がけましょう。

妊娠7週:妊婦さんのおなかの大きさは?

子宮は少しずつ大きくなっていますが、まだレモンくらいのサイズです。外見上ではおなかのふくらみはほとんどわかりません。

妊娠7週:妊婦さんが気をつけること・することは?

妊婦健診時の服装について

妊娠7週はまだおなかが目立たない時期ですが、健診では超音波検査や内診があることが多いので、動きやすく脱ぎ着しやすい服装を選びましょう。トップスは、ゆったりしたTシャツやチュニックを。おなかを出す場合があるので、前開きも便利です。内診や膣内エコーでは下着を脱ぐので、着脱しやすいスカートやゴムのズボンがおすすめです。からだにフィットするジーンズは避けたほうが良いでしょう。診察台に上がる際に靴を脱ぐこともあるので、脱ぎ履きしやすいスニーカーやスリッポンだとスムーズです。

唾液過多症(よだれづわり)とは

「唾液過多症」は、口の中に唾液が過剰に溜まる状態で、「よだれつわり」とも呼ばれます。妊娠7週頃は、ホルモンの変化がピークを迎えつつある時期であり、吐き気などのつわり症状とともに現れることが多いです。水分をこまめに摂取して唾液を飲み込みやすくしたり、シュガーレスの飴やガムを食べて口の中の不快感を軽減させることも一つの手です。

こむらがえりについて

「こむらがえり」とは、足がつることで、ふくらはぎにある「腓腹筋(ひふくきん)」という筋肉が異常収縮している状態です。妊娠中は循環血流量が増加し、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルバランスが崩れやすくなります。これらのミネラルは筋肉の収縮や弛緩に重要な役割を果たしていて、不足するとこむら返りが起こりやすくなります。特につわりで食事が偏ったり、水分が不足したりするときは要注意。水分を十分に摂り、カルシウム(乳製品や緑黄色野菜)、マグネシウム(ナッツや豆類)、カリウム(バナナやオレンジ)を意識して摂取してみてください。軽いストレッチをしたり、お風呂で足をよく温めるのも効果的です。とてもつらい時には、主治医に相談して「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方を処方してもらうのもおすすめ。足がつってしまったときに頓服することで効果がでます。

下痢が続くときは

妊娠7週頃はホルモンバランスの変動が腸に影響を与え、下痢を引き起こすことがあります。また、妊娠による体調の変化や新しい状況へのストレスから下痢になることもあるでしょう。

下痢が続くときは脱水症状に気をつけて、こまめに水分をとることを心がけましょう。おかゆ、バナナ、リンゴのすりおろしなどの消化に優しいものを少量ずつ食べると腸への負担が減ります。下痢が続く時には主治医に相談して、整腸剤を処方してもらうのも良いでしょう。

妊娠7週のチェックリスト

妊婦健診は欠かさず受診を

妊婦健診は、妊娠期間全体で、通常14回程度受けることが推奨されています。妊娠週数によって頻度や内容が変わります。妊娠状態が安定するまでは2週間に1回、妊娠中期は4週間に1回、妊娠後期は2週間に1回、出産前は1週間に1回受診するようなイメージです。妊婦健診では、超音波検査で赤ちゃんの成長を確認するほか、妊婦さんの尿検査、血圧測定、体重測定、内診などをします。妊娠高血圧症候群など、自覚症状がないうちに進行してしまう病気もあり、妊婦健診でチェックすることが大切です。指定された健診日以外でも気になることがあれば、遠慮せずに受診・相談してください。

母子健康手帳をもらう

赤ちゃんの心拍が確認できたら「母子健康手帳」をもらいにいきましょう。母子健康手帳は、住民票を登録している市区町村の役所や保健センターでもらうことができます。母子健康手帳の発行には、医師から発行される「妊娠届」、運転免許証などの身分証明書、マイナンバーカード、病院の診察券など、必要となる書類があります。自治体によって異なるので、必ず事前に確認を。

母子健康手帳と一緒に、妊婦健診費用の補助券、マタニティマーク、妊娠に関する副読本などがもらえます。母子健康手帳は、妊婦さんと赤ちゃんの状態が記されたものなので、妊娠中はいつも携帯しておきましょう。産後も赤ちゃんの健診や予防接種のたびに必要になります。

妊婦健診補助券について

「妊婦健診補助券」は、妊娠中に必要な健診費用の一部を公費負担にできる券のことです。妊娠が確定して母子健康手帳をもらうときに、一緒に交付されるのが一般的です。助成額は住んでいる自治体によって異なりますが、1回あたり5,000~10,000円程度の公費補助が出ることが多いです。検査内容次第では、自己負担が増える場合もあるので、病院で確認しておくと安心です。

出産の予約をしよう

出産する病院が決まったら、分娩予約を入れることを忘れずに。病院によっては、出産の予定人数に制限がある場合や、事前登録が必要な場合があります。特に人気のある病院や設備が整った施設では、早めに予約しないと枠が埋まってしまうことも考えられます。診察時に予約方法や手続きについて必ず確認しておきましょう。里帰り出産を希望する場合も、早めに病院を選んで分娩予約を取りましょう。

妊娠7週:パパにできることは?

妊娠7週は、つわりや疲労感など体調の変化が顕著になりやすい時期。ホルモンバランスの乱れによって感情の起伏が激しくなることもありますが、優しく受け止めてサポートしてあげてください。つわり中でも食べられる軽食(おにぎりや果物など)を用意したり、家でゆっくりできる環境を整えてあげて。ママがして欲しいことは何かをしっかり聞きとり、パパとして「自分に何ができるか」を考えて行動することが、ママにとって大きな支えになります。

妊娠7週: お医者さんに聞くことは? 

おりものの変化を確認しよう

妊娠中はホルモンバランスの影響で、おりものの量や質に変化が現れます。「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌が増加するためで、子宮頸管粘液の量が増え、おりものが普段より多く感じられることがあります。正常なおりものは透明~白色で、少し粘り気があるか水っぽいことが多いです。

おりものが黄色や黄緑色、強い臭いがする、血が混じる、かゆみや痛みを伴うといった場合は、感染症の可能性があるため、早めに産婦人科を受診しましょう。

妊娠悪阻のサインについて

「妊娠悪阻」(にんしんおそ)とは、つわりが重症化した状態で、吐き気や嘔吐がひどく日常生活に支障をきたす状態を指します。食事や水分がほとんど摂れていない、一日に5回以上嘔吐する、尿が極端に少ない、妊娠前に比べて体重が急激に減っているなどの症状がある場合は、医師に相談してください。点滴で栄養補給をしたり、吐き気止めを飲むことで症状が改善することが多いですが、入院が必要になる場合もあります。

偏食による赤ちゃんの栄養不足が心配なら

妊娠7週の赤ちゃんは、受精卵から分化した「卵黄嚢」(らんおうのう)から栄養をもらっているので、妊婦さんが毎日完璧な食事を摂らなくても、すぐさま影響が出るわけではありません。卵黄嚢は、「赤ちゃんのお弁当箱」とも呼ばれていて、赤ちゃんに栄養を与えてくれる場所。妊娠13週くらいに消えていきます。つわりが辛いときは、栄養を気にしすぎず、食べられるものを食べていれば大丈夫です。食べているものに不安があるときは相談してみるといいでしょう。

インフルエンザの予防接種

妊娠中は免疫力が低下しやすく、インフルエンザにかかると重症化しやすい傾向があります。特に妊娠後期になると感染した際のリスクが高まるので、早めに予防接種を受けておくと安心です。妊婦さんが接種することで、抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに渡り、出生後の赤ちゃんをインフルエンザから守る効果も期待できます。医師に相談しつつ、つわりの状態や体調を考慮して接種する時期を決めましょう。

妊娠7週:よくある質問

妊娠7週です。つわりの対処法を教えてください。

一度にたくさん食べるのがつらい場合、1日5~6回に分けて少量ずつ食べると良いでしょう。空腹になると吐き気が強まることがあるので、小さなおにぎりやクラッカーを常備しておくのもおすすめです。この時期は、栄養バランスはあまり気にせずに、食べられるものを食べていれば大丈夫。水すら受けつけないときは、氷を口に含むと楽になることもありますよ。

レモンやミント系の香りをつけたハンカチを口元に当てて、周囲の嫌な匂いをブロックするのも効果的です。新鮮な空気を吸ってゆっくり深呼吸したり、好きなことに没頭したり、音楽や動画で気を紛らわすのも良いでしょう。

妊娠7週で料理がつらい。どうすればいいですか?

匂いや味に敏感なつわりの間は、調理をするのがつらいもの。できればパパが調理担当になりましょう。妊婦さんが調理する場合は、簡単に作れて消化に優しく、食べやすいレシピを選びましょう。薄めためんつゆをかけたうどん、軽く塩を振っただけのおにぎり、潰したバナナを混ぜたヨーグルトなど、すぐに作れるシンプルな料理がおすすめです。温かい料理の匂いがキツい場合は、冷蔵庫で冷やすと食べやすくなることが多いです。一度にたくさん作らず、少しずつ味見しながら好みの食材を探してみてください。調理せずにすぐ食べられるお弁当やレトルト食品も活用してみて。

妊娠7週ですが、うつ伏せで寝ても大丈夫でしょうか?

妊娠7週なら、うつ伏せで寝ても基本的には問題ありません。妊娠7週の子宮はまだ小さく、レモンくらいの大きさです。おなかの中の骨盤や子宮壁に守られた位置にあり、うつ伏せで寝たくらいでは赤ちゃんに圧力がかかることはほぼありません。つわりなどで寝づらい時期なので、妊婦さん自身が快適に、楽な姿勢で寝られることを優先してOK。うつ伏せが心地良いのであれば、無理に変える必要はありません。

妊娠7週で、肌荒れやニキビがひどくなってきたのはなぜでしょうか?

妊娠初期は、ホルモンバランスの乱れによって、肌荒れやニキビなどの症状が出ることがあります。これは、「プロゲステロン」という女性ホルモンが大量に分泌されるためで、皮脂の分泌が盛んになり、毛穴が詰まりやすくなるからです。つわりによる食事の偏りや水分不足、ストレスや疲労も肌荒れの原因になります。

この時期の肌荒れを完全に予防するのは難しいですが、低刺激の洗顔料を使って優しく洗い、化粧水やクリームでしっかりと保湿することを心がけましょう。ホルモンが安定する妊娠中期になると、肌荒れが改善することが多いです。

妊娠7週ですが、少量の出血がありました。大丈夫でしょうか?

妊娠初期に少量の出血があることは必ずしも異常とは限りません。受精卵が子宮の中に着床する時に起きる出血「着床出血」は、妊娠3〜4週頃に起こることが多いですが、着床出血の名残が少し遅れて出てくる場合があります。また、子宮が大きくなり、血流が増えることで、子宮頸管が敏感になり、少量の出血が起こることも。ただし、少量でも出血が続いていたり、出血量が多かったり(生理2日目くらいの量)、真っ赤な鮮血、腹痛などがある場合は、すぐに病院を受診してください。

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