妊娠初期 / 妊娠6週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠6週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
善方裕美
監 修

善方裕美 先生

よしかた産婦人科院長
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
横浜市立大学産婦人科客員准教授
母体保護法指定医
日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医

妊娠6週に知っておきたい大切なポイントは?

つわりが始まるころ。つわりの症状は、嘔吐、吐き気、眠気、味覚の変化など人によってさまざまです。心拍確認ができたら、状況が許せば職場に妊娠報告をして、つわりが辛い時などは、無理せずに周囲に頼れる環境を作っておきましょう。妊娠6週の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠6週は妊娠何カ月?

妊娠6週は、妊娠2カ月のちょうど真ん中の週にあたります。この時期の赤ちゃんは、心臓、肝臓などの臓器や聴覚器官が急速に発達しています。超音波検査では、胎のうの中に小さな胎芽が見えるようになり、心臓の拍動、心拍が確認できるようになります。赤ちゃんの角度によっては見えにくい場合もあるので、必ずしも心拍が確認できなくても大丈夫。次の健診で確認します。

妊娠6週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠6週:赤ちゃんの大きさは?

頭からおしりまでの長さ(頭殿長)は4~12mm程度。まだ超音波では見えにくいのですが、赤ちゃんはアルファベットのCのような体勢をしています。週の後半には目や鼻、耳となる部分にくぼみができてきます。

妊娠6週:赤ちゃんの様子は?

妊娠6週になると、赤ちゃんの心臓が形づくられて、超音波検査で拍動が確認できることが多くなります。その心拍数は大人よりも速く、毎分100回以上にもなります。妊娠9週頃まで、拍動はどんどん速くなっていきます。

妊娠6週:赤ちゃんの発達は?

からだから手や足の原型になる突起のようなものが現れます。指ができるのはもう少し先になります。目や鼻、耳などの位置がわかるようになってきて、徐々に顔の型ができ始めます。この時点では、目は顔の横のほうについていますが、この先徐々に前の方へ移動していきます。胎盤のもとになる神経組織が形成され始め、ママと繋がるへその緒も発達していきます。

妊娠6週:妊婦さんのからだは?

妊娠6週:妊婦さんのからだの様子は?

妊婦さんの50~80%が経験するつわり。早い人なら妊娠4週頃から始まり、多くの人が妊娠8〜10週でピークを迎えます。空腹時にむかむかしたり、匂いに敏感になったり、胃もたれや胸焼けのような不快感があったりと、つわりの症状は人によってさまざまです。何を食べても嘔吐してしまう時は、ゼリーや果物など「これならなんとか口に入る」というものを探して、食べられるものを食べましょう。水分だけはしっかりとってくださいね。

また、この時期は、ホルモンバランスが劇的に変化することで、ずっしりと重い疲労感や我慢できないほどの眠気に襲われることも。疲れを感じたら無理をせずに、からだを休めるようにしましょう。

妊娠6週:妊婦さんのおなかの大きさは?

妊娠6週の子宮の大きさは、レモン大程度。おなかのふくらみはまだ目立ちません。

妊娠6週:妊婦さんが気をつけること・することは?

つわりでも食べられるものを見つけて

つわりが始まると、食べ物の好みが変わったり、特定の食べ物を強く食べたくなることがあります。吐き気が強くて食べ物を受けつけない気分の時でも、「これならなんとか食べられる」と思えるものを探してみて。消化しやすく喉越しの良いうどんやそうめんなどの麺類、水分を多く含むカットメロンやりんごなどのフルーツ、ゼリー状の栄養補助食品などは、つわり中の妊婦さんにも食べやすい食べ物として人気です。

空腹になると吐き気や気持ち悪さを感じる「食べづわり」の場合は、クッキーやグミ、おにぎりなど、すぐに食べられる軽い食べ物を用意しておくのがおすすめです。

つわり中の脱水症状に気をつける

つわりで嘔吐を繰り返す場合は、こまめに水分を補給して、脱水症状を予防することが大切です。ビタミンや電解質を含んだスポーツドリンクは水分補給と栄養補給に役立ちますが、飲み過ぎによる糖分と塩分のとり過ぎには注意しましょう。炭酸水やレモン水で口の中をスッキリさせるのもおすすめです。コーヒーなどのカフェインが入っている飲み物は、胃を刺激するので、避けたほうがいいでしょう。

おっぱいの張りを感じたら

おっぱいが張っているように感じたり、チクチク痛んだりすることがあります。これは、ホルモンの働きによるもので、産後に授乳が始められるようにからだが準備をしているから。これから乳腺が発達し、血流も増えていきます。不快感がある場合は、妊婦さん用のサポートブラを使ってみて。

疲れやすくなる

プロゲステロンという女性ホルモンが急激に増え、ホルモンバランスが変化することで、この時期の妊婦さんは疲れやすさやだるさを感じやすくなっています。眠くなったり集中力が続かないことも。こまめに休息を取るようにして、無理をせずに過ごしましょう。

トイレが近くなる

妊娠6週頃になると、トイレが近くなったり残尿感が残ることがあります。血液量が増えて腎臓の機能が活発になること、子宮への血流が増えて隣り合っている膀胱が刺激されることなどが原因です。頻尿や残尿感があるからといって、水分摂取を控えてしまうと、脱水症状や膀胱炎、尿道炎などを引き起こす可能性があります。トイレへ行くことを我慢しないように注意して。排尿時に痛みを感じたら膀胱炎になってしまっているかもしれないので、通院中の産院で相談しましょう。

妊娠6週のチェックリスト

マタニティ用の下着、パジャマを買う

つわり中は、からだを締めつけない下着やパジャマを選んでリラックスして過ごしましょう。マタニティ用のブラやパジャマは、伸縮性のあるやわらかい素材でできていたり、大きさにゆとりがあるので、この先バストやおなかが大きくなっていっても安心です。どちらも授乳がしやすいように工夫されているタイプがあり、産後も使えて便利です。

つわり乗り越えアイテムを見つけて

朝から晩まで絶え間なく襲ってくるつわりの不快感を乗り越えるために、お助けアイテムを活用するのもおすすめです。つらいからだを優しく沿わせる抱き枕、口の中の違和感を緩和する歯磨き剤やシュガーレスのガム、飴、苦手な匂いをカットする消臭スプレーやアルマオイルなど、自分にあったアイテムを揃えて、快適に過ごせる環境を整えて。

マタニティマークをもらう

「マタニティマーク」は、母子手帳と一緒に自治体でもらうことができます。また、鉄道会社の駅事務室やベビー用品店などでも無料で配布している場合があります。まだおなかが目立たないけれど体調に心配がある妊婦さんは、早めにマタニティマークをつけておくと、緊急時にも妊娠中であることを周囲に知らせやすくなります。

職場への妊娠報告

まだ流産の確率が高い時期ではありますが、つわりで仕事に影響が出そうな場合は、妊娠6週頃でも職場の上司に妊娠報告をして、業務量や形態の相談をするといいでしょう。妊娠を周囲に伝えることにまだ不安があるという場合は、まずは直属の上司のみに相談して、同僚にはタイミングをずらして報告することもできますよ。

日本では、「男女雇用機会均等法」という法律に基づき、つわりなどの体調不良を理由に仕事を休むことが認められています。つわりで体調がつらいときは、無理をせずに仕事をお休みすることも大切です。

超音波写真(エコー写真)アルバムの作成

妊娠6週の超音波写真では、まだ小さな豆つぶのようにしか見えない赤ちゃんですが、不思議と愛おしく感じるものですよね。この先、妊婦健診に行くたびにどんどん超音波写真が増えていきますが、感熱紙に印刷されている場合は時間が経つと、色が薄くなって消えてしまいます。超音波写真を長期保存しておきたい場合は、データ化したり写真プリントしたりして保存しておきましょう。専用のアルバムを作って、健診で医師に言われたことや、ママ、パパの気持ちを書いておくと良い思い出になりますよ。

妊娠6週:パパにできることは?

ママにとっては、眠さやだるさ、つわりが始まるなど大変な時期。1日中具合が悪くて、何もできない状態になることも珍しくありません。家事や食事作りは積極的にパパがやるようにしてください。つわり中は日によって食べられるものが変わることも多いので、そのときに食べたいものを聞いて、用意してあげると良いでしょう。

妊娠6週: お医者さんに聞くことは?

心拍の確認

妊娠6週になると、超音波検査で赤ちゃんの心臓の動きを確認できることが多くなります。心拍を確認できると、初期流産の確率はぐっと低くなります。でも、6週の検査で心拍が確認できなくても焦らなくて大丈夫。同じ妊娠週数でも、何日目に検査を受けるかによりますし、生理周期のズレによって、実際の妊娠週数が異なることもあるためです。次回の健診までゆったりとした気持ちで過ごしましょう。

つわり休暇の取得について

つわりがひどくて仕事を休みたい場合には、「つわり休暇」を取得することができます。これは、男女雇用機会均等法に基づくもので、勤務先に休暇制度がなくても休むことができる妊婦さんの正当な権利です。医師に相談して、体調を優先するようにという指導があったら、すみやかに会社に伝えて、休業を申請しましょう。医師に記入してもらった「母性健康管理指導事項連絡カード」(母健連絡カード)を勤務先に提出するとスムーズに進むでしょう。母健連絡カードは母子手帳についています。

便秘対策

妊娠すると、女性ホルモンのひとつである「プロゲステロン」が増加します。プロゲステロンには腸の動きを抑制する作用があるため、妊婦さんは便秘になりやすくなります。また、つわりで食事の量や水分の摂取量が減ると、便の量が減って固くなり、排便がしにくくなります。

便秘を解消するには、食物繊維が多く含まれる食事をとること、こまめに水分補給をすること、適度な運動をすることなどがおすすめです。なかなか解消されない場合は放置せず、医師に相談してください。

妊娠6週:よくある質問

妊娠6週でつわりの症状が出てきました。満員電車での通勤がつらい時はどうしたら良いですか?

つわり中の妊婦さんにとって、満員電車の匂いや圧迫感は気分が悪くなるものですよね。立ちっぱなしでおなかが張ったり、吐き気に襲われても速やかに電車から降りられないというリスクもあります。つわり中は無理をせず、出社時間を遅らせたり、在宅勤務に切り替えることができないか、上司に相談してみましょう。満員電車を避けられない場合は、なるべく座って通勤できるように、混雑しない路線や各駅停車を選択すると良いでしょう。妊娠6週は、見た目で妊娠中であることがわかりづらいので、マタニティマークを利用するのがおすすめです。

妊娠6週ですが、終わりの見えないつわりがしんどいです。つわりのピークはいつ?この先どう進む?

つわりは妊娠初期の妊婦さんのうち50~80%の方が経験するものですが、その強さや期間は人によって異なります。一般的には、妊娠8~10週頃に、最も症状を強く感じる人が多いようです。つまり、今の6週からあと数週間が一番つらい時期になる可能性があります。その後、妊娠12~16週頃にかけてつわりは徐々に軽減していきます。これは胎盤が完成し、ホルモンバランスが安定してくる時期と関係しています。

あまりにもつらい場合は吐き気止めの薬を処方してもらえることがあるので、かかりつけの医師に相談してください。つわりは本当に大変ですが、終わりが見えないように感じても、少しずつ良くなっていくことがほとんどです。まわりのサポートも頼りながら、できるだけ自分を労ってあげましょう。

妊娠6週なのに全くつわりの症状がありません。おかしいのでしょうか?

つわりは妊娠初期によくある症状ですが、個人差が大きく、全員が経験するわけではありません。統計的には、妊娠中の20~50%程度の人がつわりを経験しないと言われています。また、つわりがピークを迎えるのは妊娠8〜10週頃なので、妊娠6週だとまだ早く、これからつわりが始まる可能性もあります。

この時期は胎動も感じられないので、「赤ちゃんは元気なのかな?」と、次の健診までドキドキするかもしれませんが、つわりを経験せずに済むのは、むしろラッキーなケースとポジティブに考えて、穏やかに過ごしてくださいね。

妊娠6週です。つわりがつらいときの受診の目安を教えてください。

つわりがつらい時、どこまで我慢すべきか、いつ病院に行くべきか迷ってしまいますよね。1日に何度も吐いてしまい水分や食事が全くとれない、体重が急激に減っている、喉の渇きや倦怠感など脱水症状のサインがある、といった症状が出ている場合は、早めに医師に相談するのがおすすめです。他にも、日常生活が困難になるレベルだったり、からだに危険が及ぶ可能性がある場合には、迷わず受診してください。

病院では、吐き気止めの薬やビタミンB6サプリを処方されることがあります。重度の場合だと、点滴で水分や栄養を補給してもらったり、症状が落ち着くまで入院をすすめられることもあります。

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