妊娠カレンダー / 妊娠39週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠39週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠39週に知っておきたい大切なポイントは? 

「正産期」に入っている妊娠39週。いつ出産がはじまってもおかしくなく、赤ちゃんがおなかにいる時間もあと少しです。特別なこのひと時を慈しみながら、安産となるように健康的な生活を過ごすようにしていきましょう。妊娠39週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠39週は妊娠何カ月?

妊娠後期で妊娠36週以降にあたる妊娠10カ月の第4週です。出産予定日まであと1週間となりました。しかし予定日はあくまでも目安の日なので、出産が今日や明日となることも来週になることも考えられます。

妊娠39週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠39週:赤ちゃんの大きさは?

妊娠39週頃の赤ちゃんの大きさは、身長は約50cm、体重は3,000g前後となりました。居心地の良いママのおなかのなかで赤ちゃんは健やかに育っています。

妊娠39週:赤ちゃんの様子は? 

生まれるその時に向けて、さまざまな準備が整ってきている赤ちゃんのからだ。頭の位置を下にして骨盤のなかに下り、その時を待っています。また、羊水の中で皮膚を保護していた胎脂も取れてほとんど消えています。

妊娠39週:赤ちゃんの発達は?

生まれるときのエネルギーとなり、またおなかの外の世界で体温を調節するために必要となる脂肪をしっかりと蓄えた赤ちゃん。体脂肪率は約15%で、1カ月前に比べて2倍ほどの量になっています。

妊娠39週:妊婦さんのからだは?

妊娠39週:妊婦さんのからだの様子は? 

妊娠39週に入ると、おしるしがあったり、前駆陣痛があったりとお産の兆候がみられている妊婦さんもいるのではないでしょうか。子宮口が少し開き、子宮頸管が柔らかくなっているなど、からだの見えないところでも分娩への準備は進んでいます。

妊娠39週:妊婦さんのおなかの大きさは?

まもなく出産予定日を迎える妊娠39週。赤ちゃんは大きく育ち、妊婦さんのおなかはもち切れんばかりに大きくなっています。ほとんどの赤ちゃんは骨盤のなかに下りてきており、重心のバランスの変化も感じていることでしょう。

妊娠39週:妊婦さんが気をつけること・することは?

「お産が進まない」とは?

赤ちゃんが生まれるとき、子宮は赤ちゃんを外に押し出すために収縮します。このおなかの張りや痛みが規則的になると、「陣痛」と呼びます。また、陣痛の間隔が10分より短くなったときを「お産の始まり」とします。

お産が進むにつれて、陣痛の間隔はより短くなり、痛みも強くなっていきます。しかし、場合によっては陣痛の間隔が短くならずむしろ長くなったり、痛みが弱くなったりして、赤ちゃんが下りてこず、子宮口も十分に開かないことがあります。このような場合、「お産が進まない」と言われます。

原則として時間をかければ進むのですが、疲労がかさなったり、そもそも産道が狭かったりすると、医学的に「分娩停止」とされ、何らかの医学的対処が必要になってきます。

陣痛が規則的になって病院に行っても、お産の進み具合によっては、母子ともに問題がなければ一度家に帰るように言われることもあります。

お産を進めるための医療処置について 

破水をしている、体力が落ちているなど、妊婦さんや赤ちゃんの状態から早めに分娩を進めたほうが良いときがあります。そんなときは医師の判断のもと適切な医療介入が行われます。

・陣痛が起こらない、なかなか進まない…オキシトシンなどの陣痛促進剤(陣痛誘発剤)を点滴で調整しながら投与し、陣痛を促す
・子宮口が開かない…ラミナリア、メトロなどの器具を挿入し、子宮口を広げる 
・子宮口がかたく、陣痛も進まない…卵膜剥離(いわゆる内診グリグリ)で、卵膜を子宮からはがし、陣痛を誘発
・子宮口が開いていて、陣痛もあるのに分娩が進まない…人工的に卵膜を破り破水させる。人工破膜。

医療処置は、きちんとした説明の上で、同意のもと行われます。不安な点、不明なことがあればしっかり確認しましょう。

安産に向けた体力づくり

運動することで陣痛が促されるという医学的根拠もあるため、体調にあまり問題がないようであれば、ストレス解消や血行促進などのためにも適切な運動は積極的に行っていきたいもの。分娩は長丁場となることが予想されるため、今の時期は必要以上に寝て過ごすよりも、からだを動かしておいたほうが対応しやすくなるでしょう。

ウォーキングは自分のペースで、早すぎないスピードで行います。無理せず往復できる距離に留めて、遠くへ行くのは避けましょう。骨盤底筋を鍛え、股関節の周りをほぐしていくスクワットを行うときは、転倒しないように何かに掴まりながらゆっくりと。マタニティヨガは深い呼吸をしながら、心地よくからだを整えていきます。くれぐれも腹部を下にして圧迫するようなポーズは行わないようにします。いずれの運動を行うときも、おなかが張ってきた、疲れたと感じたら休むようにして。無理や我慢をして取り組むものではありません。

入浴時に気をつけること

お風呂の湯船にゆっくり浸かると、冷えの防止やむくみの解消、リラックスにもなりますが、おなかが大きな臨月には注意したいことがあります。

浴槽をまたぐときにおなかがつかえてしまったり、滑ってしまったりしないように、手すりの活用を。思いのほか足があがらないこともあるので、ゆっくりした動作を心がけましょう。また、血液量が増えていてのぼせやすい傾向があるので、熱すぎるお湯や長風呂もNG。38度前後、10分ほどを目安にします。また、お風呂の椅子は高さや背のあるものを選ぶと座りやすくなります。入浴の前後には水分をしっかりと摂り、水分補給を忘れずに。

イライラするのはホルモンの影響

出産に向けていくつかのホルモンが増減することで感情が不安定になったり、睡眠不足になったりすることがあります。そのうえに出産の不安やプレッシャーがかかってくるのですから、些細なことでイライラしてしまうのも当然かもしれません。「いまは不安定な状態である」と自分の状態を理解して、イライラしてしまったことでさらに落ち込んだりせずに、少しでもポジティブに過ごせる方法を考えるようにして。

妊娠39週のチェックリスト

産後の体型戻し&体重戻し

標準体型の妊婦さんの妊娠39週頃の体重増加の目安は、妊娠前からプラス10kgほど。出産によって赤ちゃんの体重、羊水や胎盤の重さなどがそこから減ることになりますが、その重量は5~6kgほどです。出産や産後の体力回復のため、母乳を作るために、母体には多くのエネルギーと蓄えがあり、出産によってすぐに体重が元に戻るわけではありません。

母乳をあげたり、ホルモンのバランスが整ったりしていくことで、産後半年ぐらいまでに、ゆるやかに妊娠前の体重に戻っていきます。産後のからだは母乳を作るためにも、妊娠期同様たくさんの栄養が必要な状態です。体型戻しのためにと、過度な食事制限をすることは避けましょう。また、出産前に体重を過剰に増やさないことも気をつけて。

赤ちゃんの小児科探し

出産後は、乳幼児健診という赤ちゃんの健康や発達の状態を確認してもらう機会があります。0歳のうちの健診は4回ほど。生後1カ月の健診は出産した病院で行われることが多いのですが、その後は自治体の保健センターや小児科にかかることになります。すぐに予防接種を受ける時期にも入るため、今のうちにかかりつけになる小児科医を探しておくといいでしょう。生まれた直後は免疫力が高いと言われていますが、健診や予防接種の前に受診する場合もあるので、備えておくと安心です。

子どもにかかるお金を見据えて

子育て世帯への支援のひとつとして自治体から助成されるのが「児童手当」です。0歳から18歳(高校卒業)までの児童を養育している人が対象で、0~3歳未満は月額15,000円、3歳~高校卒業までは月額10,000円、第3子以降は0~18歳まで月額30,000円支給されます。将来を見据えて、この児童手当を貯蓄や運用に充てる人も多くいます。

原則として申請した月の翌月分から、偶数月に2カ月分が支給されます。児童手当は出生日を含め15日以内に申請が必要なので忘れずに手続きをしましょう。なお制度は変更となる可能性があるので、こまめにチェックをしておいて。

※2025年4月現在

赤ちゃんのお世話グッズの準備

赤ちゃんのおむつやおしりふきなど、同じタイミングで使うものはまとめて置くようにしておくと便利です。最初に準備する新生児用サイズのおむつは、生後1~2カ月でサイズアウトしてしまう可能性があるので、大量の買いだめはしなくてもよいでしょう。おむつ替えのときに便利な、おむつ替えシートやおしりふきウォーマー、ゴミ箱などは様子を見ながら検討するといいでしょう。

妊娠39週:パパにできることは?

出産を控えた妊娠39週頃の妊婦さんは、おなかの張りが頻繁になったり、下腹部の圧迫が強くなったりしています。炊事、皿洗い、洗濯物干し、掃除などの立ち仕事はからだへの負担が大きく、休みながら行うことで時間もかかるようになっています。また、ちょっとしたことで疲れやすくもなっているので、交代したり、一緒に行ったりしてあげて。陣痛がはじまって入院したら、経腟分娩であれば5~6日間、帝王切開であれば7~10日間ほどママが不在となります。退院後もママはなかなか以前のようには動けません。自分で実際に家事全般を行ってみて、状況によっては便利家電やサポートサービスについても検討してみましょう。

妊娠39週: お医者さんに聞くことは? 

陣痛の痛みに耐えられるか不安

出産予定日が近づいてきて、陣痛について不安を感じることはあるものです。その痛みは赤ちゃんを外の世界に押し出すための力だと理解はしていても、恐怖が先立ってしまうことも。そんなときは、多くの妊婦さんをみてきた医師や助産師に相談をしましょう。きっと不安のもとになっている部分を解きほぐしてくれるはず。病院によっては直前まで無痛分娩の申し込みが可能なところもあります。また、あまりにも強い恐怖感で日常生活に支障があるようであれば、早めに医師に相談しましょう。

出産予定日は過ぎても大丈夫?

出産予定日は過ぎても大丈夫です。予定日の40週0日で生まれる赤ちゃんが最も多いわけでもありません。正期産の時期は妊娠37~41週となっているので、あと2週間以上も余裕があると考えると、いまお産の予兆を感じていなくても焦ることはありません。

でも心配になってしまうのも当然のこと。医師にあとどれくらいで生まれそうか、赤ちゃんに問題はないのかなど状態を確認し、少しでも不安を取り除きましょう。

吐き気を感じる、気持ち悪い

臨月になって吐き気を感じるのは、ホルモンバランスの変化や子宮の圧迫のほかに、前駆陣痛の影響も挙げられます。子宮の収縮に伴って胃や腸が圧迫され、吐き気を引き起こしていると考えられています。

しかし、吐き気にはウィルス性腸炎や妊娠高血圧症候群の症状である可能性もあります。強い吐き気や、吐き気以外にも症状がある場合はすぐに医師に相談をします。

妊娠39週:よくある質問

妊娠39週で出産する人は多いですか?

妊娠39週で出産した妊婦さんは多くいます。全体のなかの23%弱で、すべての週の中で2番目に多くなっています。

妊娠39週ですが、産まれる気配がありません

妊娠39週でも産まれる気配がないことはあります。じっとしていると出産のことが気になってしまうので、気分転換にウォーキングをしたり、音楽や動画などの趣味を楽しんだりして、今の時間を楽しむようにして。経過に問題がないようであれば、もうしばらくそのまま様子をみることになりますが、母児の状態から医療処置を提案されることもあります。

妊娠39週でおしるしがあったらどうなりますか?

出血が混じった粘液性のあるおりもの、いわゆるおしるしがあれば、お産のはじまりの合図です。子宮口が開き、卵膜の一部が子宮壁からはがれたことで生じた出血で、陣痛につながっていくと考えられます。ただ、陣痛はすぐにはじまることもあれば、数日かかることもあります。いつ病院へ行くことになっても対処できるよう、準備を整えておきましょう。

妊娠39週の子宮口は何センチですか?

妊娠39週の子宮口は少し開いていることが多いですが、全く開いていないということもあります。医師が内診で子宮口の開き具合を確認し、子宮頸管の状態、胎児の頭の位置などから、出産の進み具合を総合的に判断していきます。

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