妊娠カレンダー / 妊娠38週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠38週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠38週に知っておきたい大切なポイントは? 

正期産の時期となる妊娠38週。妊娠38~40週には多くの赤ちゃんたちが生まれています。陣痛がはじまってからの過ごし方や、立ち会い出産についておさらいをしておくと、そのときに対応がしやすくなります。妊娠38週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠38週は妊娠何カ月?

妊娠後期で妊娠36週以降にあたる妊娠10カ月の第3週です。出産が始まる可能性の高い時期となっているので、適切な食事や運動、睡眠を心がけながら、無理をせずに過ごしていきましょう。

妊娠38週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠38週:赤ちゃんの大きさは?

妊娠38週頃の赤ちゃんの大きさは約45cm~48cn。体重は2,800g前後。頭の大きさ(BPD)は約9cmとなりました。

妊娠38週:赤ちゃんの様子は? 

妊娠38週となり、ほとんどの赤ちゃんが頭位の位置に収まっています。胎盤を通じながら抗体を受け取り、30~40分のサイクルで寝たり起きたりを繰り返しながら、生まれるタイミングを待っています。

妊娠38週:赤ちゃんの発達は?

からだの準備が整ってきた赤ちゃん。いつ生まれても心配ない状態になっていますが、赤ちゃんはおなかのなかで日に日に発達を続けています。脂肪が増え、皮膚はさらに厚みを増していきます。

妊娠38週:妊婦さんのからだは?

妊娠38週:妊婦さんのからだの様子は?

骨盤内に赤ちゃんが収まってくる妊娠38週頃になると、膀胱や恥骨、骨盤への圧迫が強くなり、鼠径部や股関節などにも痛みを感じるように。骨盤ベルトを着用したり、温めたりすると多少痛みが緩和されるかもしれません。

妊娠38週:妊婦さんのおなかの大きさは?

赤ちゃんが下へおりて、みぞおちあたりの突き出ていた感じはなくなります。下腹部が大きくふくらんで、赤ちゃんが下へ移動していることがわかるでしょう。

妊娠38週:妊婦さんが気をつけること・することは

胎児の様子を確認するNST(ノンストレステスト)

正産期に入ってからは妊婦健診で行う検査が増えます。NST(ノンストレステスト)がその一つ。それ以前にも、おなかの張りがみられたときなどに赤ちゃんの状態を確認するために行ったことがあるという妊婦さんもいるかもしれません。

2つのセンサーでおなかの赤ちゃんの心拍数や子宮収縮の確認をし、赤ちゃんの状態を確認します。所要時間は20分~40分ほど。おなかにセンサーをつけてじっとしていると、それ以上に時間がかかるように感じるかもしれません。

立ち会い出産の範囲を確認

陣痛の痛みを共に乗り越え、新しい命が誕生する瞬間をパートナーらと迎える立ち会い出産。パートナーの役割は出産の見学ではなく、その瞬間を迎えるまで一緒に過ごしサポートをしていくものですが、認識のずれがあることも考えられるので、どんな風にサポートして欲しいのかを話し合っておくといいでしょう。陣痛はどれくらい続くのかがわからないもの。少しでもリラックスして過ごせるように臨みましょう。

立ち会いは配偶者(パートナー)のみという条件のある病院もあります。実母や自身の姉妹などを考えている場合は、立ち会いが可能であるか病院に確認を。

また、生まれてくる赤ちゃんの兄姉の立ち会いを希望していることもあるかもしれません。子どもの立ち会いが可能か、何人までOKなのかの確認も必要です。普段と違うママの様子を見て子どもは途中で立ち会いを続けることが難しくなってしまうこともあります。また妊婦さんが集中できなくなってしまうことも考えられます。当日になって変更することもあると心づもりをしておきましょう。

足のしびれや感覚麻痺について

妊娠10カ月頃は下りてきた子宮やむくみが神経を圧迫して、足のしびれや感覚の麻痺を感じることがあります。この時期は血液などの水分量が増えているので、その傾向が強く出ることも。からだを横にして休んだり、マッサージをしたりすることで解消される一時的なものであれば、骨盤の調整やむくみの対策を行うことで、しびれや麻痺を予防することができるかもしれません。

しかし、あまり改善しないようであれば、腎臓疾患などの別のリスクの可能性もありますので、医師に相談をするようにします。

救急車を呼ぶ場合

突然大量の破水があった場合、その状態に驚いてしまうかもしれませんが、通常の破水では救急車を呼ぶことはできません。けれど、緊急の状態であれば、救急車を利用するようにしましょう。例えば大量の出血を伴っている、赤ちゃんの頭が見えている状態は大きなリスクがあるため、救急車を呼んで急いで病院に向かったほうが良いでしょう。危険であるのかそうではないのか判別がつかないようであれば、かかりつけの産院に連絡をして、指示を仰ぎます。想定していない事態が起こるとパニックになってしまいがちですが、医師が判断をできるようにできるだけ状況を記録し、伝えられるようにします。

臍帯巻絡(さいたいけんらく)について

臍帯とはへその緒のことで、へその緒が赤ちゃんの首やからだに巻き付いている状態を臍帯巻絡といいます。赤ちゃんの移動によって起こる一般的な現象で、4~5人に1人にみられます。首にゆるく1回巻いている状態が一番多く、そのままの状態で経腟出産が行われ、大きなトラブルになることはあまりありません。

ただし、2回巻いていたり、きつくしまっていたりする状態はリスクを伴うため、帝王切開などの手術になることがあります。

妊娠38週のチェックリスト

産後のマタニティブルーのことを知っておく

出産後、わけもなく涙が溢れたり、ちょっとしたことで怒ったり、ぼーっとしてしまうことがあるかもしれません。それはマタニティブルー(医学用語でマタニティブルーズ)といわれるもので、出産後に誰にでも起こりうることです。

出産前に分泌していたホルモンが一気に低下することで引き起こされる自律神経の不調で、産後10日ほどで落ち着くと考えられています。この状態は一時的なものであるため、もしマタニティブルーの状態になったとしてもあまり深く考え込まず、「これがマタニティブルーなんだな」というくらいの気持ちで過ごせるよう、そういう症状があることを知っておきましょう。

環境が急に変わってしまったこと、24時間のお世話で心身が休まらないことも影響してくるので、身近な人に頼ったり、自治体や民間のサポートを活用したりしながら、少しでも張りつめている気持ちを緩めていくことが大切です。

しばらくすれば症状は落ち着いていきますが、2~3週間たっても状態が変わらない、さらに酷くなっているようであれば、病院や助産師さんなどに相談をするようにしましょう。頑張り過ぎないで大丈夫ですよ。

陣痛グッズの準備を

10分間隔になってからも子宮口が全開になるまで、長くかかることが想定される陣痛。少しでもからだや気持ちをラクにして過ごせるよう、陣痛を促したり、痛みを緩和させてくれたりするグッズを準備しておきます。

腰や背中を押して痛みを和らげるときに役立つテニスボールやゴルフボール、ラクな姿勢を作るためのクッションや抱き枕、足や腰を温めるカイロや靴下、涼むためのうちわや扇子、横になったまま水分が飲めるストロー付きペットボトルキャップ、体力を回復するためのゼリー飲料やおにぎり、リラックスするための音楽(+イヤホン)やアロマなどがあります。病院によっては持ち込み不可のものもあるため、事前に確認をしておきましょう。

退院後の手続きについて

退院してすぐに、赤ちゃんに関する様々な手続きがあります。いまのうちに、どんな手続きがいつまでに必要かを確認しておきましょう。

・出産育児一時金…退院手続きの際など(支払方法によって異なる)
・出生届…出産日を含め14日以内
・赤ちゃんのマイナンバーカード申請…出生届と同時に提出可能
・児童手当の申請…出産日を含め15日以内
・赤ちゃんの健康保険の加入…出産日を含め5~14日以内(健康保険によって異なる)
・乳幼児医療費助成の申請…健康保険が届いたら

里帰り出産をしている妊婦さんは、里帰り先で使えなかった妊婦健診費助成の手続きや、産後の1カ月健診の受診先についての確認も行っておきましょう。

妊娠38週:パパにできることは?

体調が良いようであれば、寝転んでいるよりも適度にからだを動かしたほうが、臨月の妊婦さんにはメリットがたくさんあります。部屋にこもっていると不安に駆られてしまうこともあるので、家の周囲をめぐるウォーキングに一緒に出かけてみるのはいかがでしょうか。からだを動かすと、血行が良くなったり、自律神経を整えたり、睡眠を促したりといった嬉しい影響が考えられます。負荷がかかり過ぎても良くないため、遠出をすることは避けたいですが、赤ちゃんとのお散歩コースを思い描きながら、夫婦の時間を楽しみましょう。

妊娠38週: お医者さんに聞くことは? 

赤ちゃんの様子はどうなっている?

赤ちゃんがどんな様子でおなかのなかにいるのか聞いてみましょう。もうお外に出たい!と準備をしているのか、まだまだママのおなかにいたがるのんびり屋さんなのか、健診でわかることがあります。問題がないようであれば、このまま様子を見ることになるので、おなかのなかでの成長の具合を確かめておきましょう。

お産が進まないときは

陣痛がはじまったのに、強さがあまりなく、間隔が短くならず、分娩が進行していかない状態を微弱陣痛といいます。この状態が続いていると妊婦さんの体力が奪われ続けてしまうので、どのようなことをするといいのか、それでも難しい場合はどんな対処をしていくのかなどを医師に確認します。

赤ちゃんが下りてこない

赤ちゃんが下りてきている感覚がなく、胃の圧迫や不快感が続いていて不安を感じている妊婦さんがいるかもしれません。もう少し時間がかかる状態だったり、もしくは下りているのに感覚が分からないということもあります。医師が内診などをすることで、どれくらい赤ちゃんが下りてきているか(児頭下降度)を確認しているので、不安を覚えているようであれば、相談してみましょう。

妊娠38週:よくある質問 

妊娠38週で出産する確率は?

妊娠38週頃に分娩をした妊婦さんの割合は全体のなかの23%強で、すべての週の中でも多い割合を占めています。次いで妊娠39週の23%弱、妊娠40週の20%弱、妊娠37週の14%強と続きます。40週0日を出産予定日と呼んでいますが、その日の通りということはあまりなく、それよりも早く生まれる赤ちゃんが多いようです。

妊娠38週で子宮口は開いていますか?

妊娠38週になると子宮口が開きはじめている妊婦さんが多い頃。正産期の妊娠37週頃から指が通るほどの開きをみせ、児頭に触れられるようになっています。そして子宮の収縮が繰り返される陣痛がはじまり、強く、間隔が短くなっていくと子宮口がさらに開いていきます。子宮口の開き具合は医師の内診によって確認します。

胎児の妊娠38週の重さは?

胎児の妊娠38週頃の重さの目安は2,150g~3,500gほどで、平均は2,800gほど。時間が経つほど大きく育っていくので不安に感じるかもしれませんが、正期産の新生児の正常な体重は2,500g~3,999g。胎児の体重が適正であることは、リスクが少ないことにつながっていきます。

妊娠38週で子宮収縮は陣痛ですか?

妊娠38週頃に規則的に繰り返される子宮収縮は陣痛です。不規則でしばらく安静にしていると治まる陣痛は前駆陣痛となります。前駆陣痛からすぐに陣痛となることもあるので、おなかの様子には気を配るようにしておきましょう。

妊娠38週の過ごし方は?

妊娠38週の過ごし方は、体調が良いようであれば適度な運動を取り入れながら、栄養のある食事を楽しみ、十分な睡眠を取るようにします。いつ陣痛が起こっても対応できるよう外出をするときは、あまり遠出はせず、病院へ移動できる範囲内で。母子健康手帳や保険証、財布などは常に携帯し、急遽病院に行くことになってもスムーズに動けるようにしておきましょう。突然の破水にも備えて夜用ナプキンも持ち歩くようにしておきます。お産の兆候は気になりますが、いつ来るかははっきりと分からないものなので、あまり気にし過ぎず、普段の生活を送るといいでしょう。

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