妊娠カレンダー / 妊娠36週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠36週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠36週に知っておきたい大切なポイントは? 

妊娠36週となり、いよいよ妊娠10カ月となりました。臨月ではありますが、正期産となるまではあと1週間あるので、大切におなかの赤ちゃんを守っていきたいものです。妊娠10カ月に入ると妊婦健診は1週間に1回となります。陣痛があったときの過ごし方を考え、準備を整えておきます。妊娠36週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠36週は妊娠何カ月?

妊娠後期で妊娠36週以降にあたる妊娠10カ月の第1週です。いよいよ「産み月」と言われる臨月となりました。出産までもう少しです。

妊娠36週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠36週:赤ちゃんの大きさは?

妊娠36週の赤ちゃんは身長が45cmを超えるほどとなり、体重は2,500g前後に成長してきました。これからも赤ちゃんの体重は1日に20g~25gずつほど増えていきます。

妊娠36週:赤ちゃんの様子は? 

からだに脂肪を蓄え、ふっくらとしてきた赤ちゃん。妊娠36週頃になると、多くの赤ちゃんの頭が下になる頭位となっています。骨盤に頭をおさめ、少しずつ下りてきている赤ちゃんもいます。

妊娠36週:赤ちゃんの発達は?

赤ちゃんのからだのすべての臓器が完成し、機能が成熟する時期です。例えば、母体から受け取った赤ちゃんの血糖値が必要以上であれば、膵臓からインスリンが分泌され、脂肪として蓄積されています。大人と同じようなさまざまな仕組みが赤ちゃんのなかで動き出しているのです。

妊娠36週:妊婦さんのからだは?

妊娠36週:妊婦さんのからだの様子は? 

みぞおちあたりまでせり上がっていた子宮が、出産に向けて次第に下がりはじめていく妊婦さんもいます。肺や胃の圧迫が少しずつ落ち着いてきて、呼吸や食事がしやすくなってくるでしょう。その代わり、膀胱への圧迫が強まり、頻尿や尿漏れを引き起こしてしまうことがあるので注意して。

妊娠36週:妊婦さんのおなかの大きさは?

妊娠10カ月頃の子宮底長(恥骨の上の部分から子宮の一番上までの長さ)は32cm~35cm。これからおなかは徐々に下がっていくため、まるまるとせり上がっている状態は今のうちだけかもしれません。記念として、パパとセルフポートレートを残しておいても。

妊娠36週:妊婦さんが気をつけること・することは?

妊婦健診が週1回に

妊娠36週以降は、妊婦健診が週に1回となります。妊婦健診では今までと同じように血圧・体重測定、尿検査が行われます。また血液検査もこのタイミングで行われることが多いです。出産時に赤ちゃんへの感染リスクがあるGBS(B群溶血性連鎖球菌)検査も妊娠36週前後で行います。

次週妊娠37週になると、ノンストレステスト(NST)という胎児の心拍や子宮の収縮を確認する検査や、子宮口の状態を確認する内診が追加されます。これらの検査を妊娠36週から行う産院もあります。

食欲の回復と体重管理

子宮が少しずつ下がって、胃の圧迫が減ってくると食欲が回復していきます。胃もたれや胸やけなどの症状も落ち着き、気をつけていないと体重があっという間に増加してしまうことも。出産まで気を抜かず体重を管理してくことは、安産につながり、産後の体形の回復もしやすくなります。1日の食事の中で栄養バランスをとりながら、食べ過ぎには注意をしましょう。

前駆陣痛(ブラクストン・ヒックス収縮、偽陣痛)

出産に向けて妊婦さんのからだもさまざまな準備を行っています。時折起こる前駆陣痛もそのひとつ。前駆陣痛はブラクストン・ヒックス収縮、偽陣痛などと呼ばれることもあります。

子宮の収縮による不規則な痛みである前駆陣痛はしばらくすると治まるため、陣痛とは異なります。おなかがきゅうっと張る、チクチク痛むなど症状は人それぞれで、生理痛のように感じる妊婦さんもいます。痛みを感じたら安静にする、姿勢や向きを変える、温めるなどすると、落ち着きやすい傾向があります。

痛みが続く、1時間に6回以上ある場合は、陣痛の可能性があります。病院へ連絡しましょう。

おしるしはお産が近づいてきたサイン

妊娠36週頃には、おしるしがみられる妊婦さんもいます。おしるしとは、赤ちゃんと羊水を包む卵膜の一部が子宮の壁から剥がれて起こる出血で、お産が近づいていることを知らせるからだからのサインです。おしるしがあってから3日~1週間くらいで出産となることが多いようですが、おしるしがあった当日に陣痛が起こることもあるので気をつけておきましょう。

おしるしは、少量の出血が混ざった粘り気のあるおりもので、ピンクや茶褐色などの色をしています。下着につく程度から軽い生理のときくらいの量なので、かたまりがある、多い、さらさらしているなどの出血の場合は、おしるしではない可能性があるので病院に連絡をし、確認します。

双子の妊婦さんの出産はもうすぐ

双子以上の多胎児は、赤ちゃんのリスクを減らすために妊娠37週に予定帝王切開での出産となることが多くあります。ただし、多胎児の妊娠は早産となる可能性も高く、妊娠36週でお産が始まり緊急帝王切開となることもしばしば。多胎児の妊婦さんはなるべく安静にして過ごしながら、少しでも変化を感じたら早めに病院へ連絡を。可愛いベビーたちとの対面もまもなくですね。

靴下を履くときの注意

妊娠10カ月頃になると、大きなおなかがつかえてしまい、また足元が見えにくいこともあり、今までのように靴下が履けなくなっています。無理をするとおなかに圧がかかったり、転んでしまったりという危険性があるので、靴下を履くときにはあぐらをかくと良いでしょう。足元に手が届きやすくなります。足のむくみを考えて、あまり締め付けのない靴下が良いようであれば、口ゴムやボディ部にゆとりがあるタイプや、浅履きタイプを選んで。靴下は足の冷え防止になりますが、自宅のフローリングなどで滑りやすいものは避けるようにしましょう。

妊娠36週のチェックリスト

陣痛アプリの準備

1分ほどの痛み<陣痛発作>と、痛みが治まっている時間<陣痛間欠>が、繰り返される陣痛。その間隔がだんだん短くなるとお産入院となるのですが、痛みを感じながら、自分で時計をみてカウントしていると混乱してくることもあります。病院へ詳しい経過を伝えるためにも、陣痛の回数や時間が簡単に記録できる陣痛アプリを活用すると便利です。いまのうちに自分にあうアプリを探しておき、いきなり陣痛が来ても慌てないよう使い方を覚えておきましょう。

入院バッグの中身と置き場所の確認

陣痛がきて、いざ入院となったときに持参するものをまとめたものが「入院バッグ」です。すでに準備している妊婦さんも多いかもしれませんが、再度中身を確認しておきましょう。

入院時に使うもの全般を大きめの「入院バッグ」に、陣痛のときに使うものは移動に便利なサイズの「陣痛バッグ」にと、分けてまとめておくと便利です。

<入院バッグに入れておくもの>

マタニティパジャマ/授乳用ブラジャー/産褥ショーツ/産褥パッド/靴下・レッグウォーマ―/腹帯・骨盤ベルト/カーディガンなどの羽織物/バスタオル・タオル/スリッパ/洗面用具/入浴セット/スキンケア一式/スマートフォンの充電器/入院に関する書類/クッション・抱き枕/イヤホン/ペットボトル飲料/マスク など

※病院で用意されているものもあり

<陣痛バッグにまとめておくと便利なもの>

痛みやいきみ逃し用のテニスボール/ペットボトル用ストロー/ハンカチ・タオル/飲み物・軽食・お菓子/ティッシュ など

母子手帳やマイナンバーカード(保険証)、診察券、印鑑など大切なものは別にまとめておき、すぐ持ち出せるようにしておきます。

万が一健診の際や外出先から緊急入院となっても、後からパートナーが持ち出せるように入院バッグ・陣痛バッグは分かりやすいところに置き、共有しておきましょう。

また、退院時に使うママの洋服一式、赤ちゃんの退院服などもまとめておいて、後日持ってきてもらうようにするといいでしょう。

低出生体重児について

生まれたときに2,500g未満の赤ちゃんのことを低出生体重児といい、赤ちゃんの約9%が低出生体重児で生まれてきています。

体温調整や呼吸機能が未熟だったり、感染症リスクが高かったりするため、NICU(新生児集中治療室)やGCU(新生児回復室)での治療が必要となります。妊娠36週頃にはからだの成熟が進んでいることもありリスクは低いのですが、あともう少しおなかのなかで大きくなれるよう、安静にして過ごすようにしましょう。

逆子を矯正する外回転術

赤ちゃんの頭の位置が落ち着く妊娠36週頃になっても、骨盤位のままの赤ちゃん(逆子)は約5~7%いるといわれています。

この時期に赤ちゃんの向きを頭位に矯正するために、妊婦さんのおなかのうえから医師が行う手技が外回転術(がいかいてんじゅつ)です。母体や胎児の状態によって受けられないこともある施術ですが、成功率は50%ほどで、経産婦の方が成功する傾向があると言われています。稀に常位胎盤早期剝離などのリスクがあり、その場合は緊急帝王切開となることもあります。

また、外回転術を行っている病院、行っていない病院があるので、気になっている妊婦さんは相談を。

妊娠36週:パパにできることは?

妊娠36週となり、妊婦さんは臨月となりました。来週からは正産期に入り、いつ陣痛が起こってもおかしくない時期といえます。

陣痛は突然やってくるもので、妊婦さんがひとりのときに起こると不安を覚えてしまいます。それは夜であればなおさら。臨月に入ったらできるだけ仕事を調整し、なるべく早めに帰宅できると、お互いに安心できるのではないでしょうか。どうしても遅くなってしまう日は、いつでも連絡がつく状態にしておきましょう。陣痛時にパパが車を運転して病院に連れていく予定であれば、アルコールは控えておいて。

妊娠36週: お医者さんに聞くことは? 

赤ちゃんの頭の位置

赤ちゃんのからだが大きくなり、あまり身動きが取れないようになってくる時期なので、逆子と言われていた妊婦さんは、現在どうなっているのか気になっていることでしょう。妊娠36週にはおよそ95%の赤ちゃんが頭位になると言われています。

お産はいつ頃になりそうですか?

妊娠10カ月となり、いつお産がはじまるのかと気になっている妊婦さんも多いのではないでしょうか。妊婦健診の際には、前駆陣痛やおしるしなど自宅であったことは医師に伝えましょう。状況によっては内診やNSTなどを行い、子宮口や赤ちゃんの状態を確認します。

恥骨や膀胱が痛い

赤ちゃんが少しずつおりてくることから、恥骨や骨盤、膀胱を圧迫するようになり、痛みを感じることが多くなるでしょう。またホルモン分泌の影響で骨盤の関節や靭帯が緩んでいることも、さらに痛みを強くしている可能性があります。いずれもお産が順調に進んでいる証ではありますが、あまりにも痛みが辛い場合は医師に相談を。

妊娠36週:よくある質問

妊娠36週は臨月ですか?

妊娠36週は臨月です。臨月とは出産予定日前の1カ月間、妊娠10カ月のことで、妊娠10カ月の第1週にあたる妊娠36週は臨月となります。

36週の胎児の大きさは平均でどのくらいですか?

妊娠36週の胎児の平均体重は2,500g前後。妊娠36週の赤ちゃんの目安体重は約1,950g~3,050gで、個体差が広がっていく時期なので大きく幅があります。胎児の体重は超音波検査での推測値となるため、±10%の誤差が生じると考えられています。

妊娠36週で赤ちゃんがおりてきているのはなぜですか?

妊娠36週で赤ちゃんがおりてきているのは、出産の日に向けて準備をしているからです。骨盤の中に頭をすっぽりと収めていき、児頭下降ともいわれます。

妊娠36週の赤ちゃんの発育は?

心臓、呼吸器、消化器など赤ちゃんの臓器のほとんどができあがり、おなかの外の世界に出ても自力で呼吸や体温調整ができるまでに成長してきました。皮下脂肪も増え、からだ全体がふっくらとしていて、シワもなくなってきています。おっぱいを飲む練習など外で生きていくためのトレーニングを行いながら、赤ちゃんは生まれるその日を待っているのでしょう。

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