妊娠カレンダー / 妊娠35週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠35週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠35週に知っておきたい大切なポイントは? 

妊娠9カ月最終週の妊娠35週。おなかが張りやすく、マイナートラブルを感じることも多いですが、臨月まであと少し。入院時や退院後の生活も考えながら、パートナーと協力し合って乗り越えていきましょう。妊娠35週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠35週は妊娠何カ月?

妊娠後期で妊娠32~35週にあたる妊娠9カ月の第4週です。いよいよ妊娠9カ月の最終週となり、来月からは妊娠10カ月(臨月)となります。赤ちゃんが体外に出る準備が整う正産期(妊娠37~41週)までもう少しですね。

妊娠35週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠35週:赤ちゃんの大きさは?

妊娠35週の赤ちゃんは身長45cmほどにまでに大きく成長しました。からだを丸めておなかのなかに可愛らしく収まっています。体重は2,300g前後になり、おなかも重たく感じるはずです。

妊娠35週:赤ちゃんの様子は? 

妊娠35週頃になると、赤ちゃんの顔の筋肉が細かく動くようになっています。口角を上げてほほえんでいるような様子も、妊婦健診の4D超音波検査で見られるかもしれません。赤ちゃんがさまざまな表情をみせるのは、赤ちゃんが立派に発達している証です。

妊娠35週:赤ちゃんの発達は?

ふっくらとした顔立ちやからだつきになってきた赤ちゃん。大きなエネルギーが必要となる誕生時や、哺乳力が弱い生まれてしばらくの間のために、からだに脂肪を蓄えています。いまのおなかの赤ちゃんの体脂肪率は体重の8%ほどなので、180g前後でしょうか。大盛りにしたごはん1杯分くらいの重さです。

妊娠35週:妊婦さんのからだは?

妊娠35週:妊婦さんのからだの様子は? 

臨月を目前にした妊娠35週は、からだの重さをますます感じている時期ではないでしょうか。体重は、妊娠前に比べて9kg前後プラスになっているのが理想です。多少のずれは問題ありませんが、あまりにも増えすぎていたり、急激に増えたりしたのであれば、安産や母児の健康のためにも管理が必要です。胃の圧迫で食欲が減退してしまい体重があまり増えていないようであれば、食事の方法を見直してみましょう。

妊娠35週:妊婦さんのおなかの大きさは?

赤ちゃんの体重が増え、羊水の量も増えていることで、妊婦さんのおなかもまたひと回り大きくなったと感じているかもしれません。

妊娠35週:妊婦さんが気をつけること・することは?

おなかが張りやすい時期

妊娠35週はおなかが張りやくすなっている時期。おなかの張りは出産に向けたからだの準備に伴うものです。不規則で痛みもあって、しばらく安静にすると落ち着くようであれば、陣痛のリハーサルである前駆陣痛かもしれません。おなかの張りを感じたら、すぐにからだを休めること。もし痛みが強く、おなかの張りが治まらないようであれば、別の要因も考えられます。まだ正産期ではないので、早産のリスクを避けるためにも早めに医師に相談をしましょう。

手のむくみが辛い

足だけでなく、妊娠中は手もむくみやすくなります。ホルモンバランスの変化や血液量の増加、運動不足などがその要因として考えられます。食事の塩分を控える、わきの下周辺を締めつけない下着を着用する、湯船につかる、手首から脇にかけて腕をさするなどの対応をしてみましょう。

また、朝起きたときに親指や人差し指、中指側にこわばりを感じるときは手根管症候群の可能性があります。妊娠高血圧症候群でもむくみを感じることがあります。

頻尿は我慢しないで

大きくなった子宮に圧迫されて膀胱が小さくなってしまうことに加えて、妊娠後期は血液量が増加し尿の量が増えているため、尿意を感じる回数が増えてしまいます。この時期には仕方がないことではあるので、水分を控えたり、我慢したりするのはやめましょう。脱水症状や尿路感染症、むくみの原因になりかねません。尿漏れにもつながるため、尿意を感じたらこまめにトイレに行き、なるべく膀胱内に尿が残らないように出し切るようにします。

GBS(B群溶血性連鎖球菌)検査

妊娠35~36週目頃の妊婦健診で、GBS(Group B Streptococcus)の検査を行います。GBSは腟などに常在している菌で、妊婦さんの10~30%は保菌者。通常は特に問題がないことが多いのですが、経腟分娩で産道を通る際に赤ちゃんに感染する可能性があり、稀に肺炎や髄膜炎、敗血症を起こしてしまうことがあります。

GBS検査で陽性だった場合は、赤ちゃんへの感染を防ぐため、陣痛もしくは破水があった後に母体へ抗生物質を投与します。

ベビーグッズをいつでも使えるように

臨月が近づき、赤ちゃんが家へやってくる日もまもなくです。お産入院の後、自宅に戻るとすぐに赤ちゃんのお世話がはじまります。いまのうちにいつでも使えるようにベビーグッズの準備をしておいて。赤ちゃんの肌着やベビーウェアの水通し、ベビーベッドや布団の準備、自家用車へのベビーシートの設置、調乳グッズの洗浄や消毒など、退院の日からすぐに使えるよう整えておきましょう。

妊娠35週のチェックリスト

入院/分娩費用の支払い方法の確認

正常分娩の場合は保険適用外となり医療費は10割負担となります。地域や病院、分娩方法などによって違いがあり、入院・分娩費用は50万円ほどのこともあれば100万円以上かかることもあります。健康保険からの出産育児一時金50万円(一児につき)を入院・分娩費に充てることができ、50万円以上かかった場合はその差額が自己負担となります。

「直接支払制度」や「受取代理制度」を利用すると、健康保険から病院へ出産育児一時金が支払われるので、妊婦さんは差額分のみの支払いとなります。一旦、自身で全額を病院へ支払い、産後に健康保険から出産育児一時金を受け取る「産後申請方式」もあります。それぞれ手続きが異なるため、出産予定の病院でどの支払方法を利用することができるのか確認をしておきましょう。

また、入院・分娩費用は退院時に支払うことが多いのですが、事前に一部を入金する病院もあるので、支払いのタイミングについても併せて確認をしておくと安心です。

しゃがみ方、起きあがり方

妊娠後期は、おなかが大きくて下が見えないうえ、からだの重心のバランスが悪いため、ちょっとした動作もつらくなってくるもの。腹圧がかかりやすい、しゃがんだり、起き上がったりするときはさらに注意が必要です。しゃがむときは腰が反っていないか確認し、骨盤を立てたうえで、何か支えを利用するとバランスを取りやすくなります。片膝をつくような姿勢であれば、腹圧も軽減されます。寝ている状態から起き上がるときは、おなかだけでなく、背中や腰への負担も軽減できるよう、横向きで手をついてゆっくりと起き上がりましょう。立ちくらみやめまいにも注意が必要です。

ソフロロジー出産について

呼吸法やイメージトレーニングをとり入れ、リラックスして出産に臨み、陣痛の痛みや恐怖を和らげる出産法が「ソフロロジー」です。陣痛をポジティブに捉えるイメージトレーニングやヨガの要素を取り入れた呼吸法を妊娠中に練習して、出産当日に備えておきます。産院などで講座が行われていることもあるので、興味がある人は相談してみましょう。

買い物について

近所までのちょっとした買い物はお散歩にも良さそうですが、かさばるものや重さのあるものは運ぶのが難しくなっています。また、出産後、自宅に戻ってからすぐは外出もままならないことが多いので、買い物の手段については今のうちから検討しておきましょう。ネットスーパーや定期宅配、カタログ注文など自宅で買い物ができるサービスや、栄養が考慮された宅配弁当、デリバリーサービスなど、現在の住居で利用できる便利なサービスを調べておくと安心でしょう。

妊娠35週:パパにできることは?

まもなく臨月となる妊婦さんはからだが動かしにくくなり、疲れやすくなっています。今まで行っていた家事にも時間がかかるようになっていることでしょう。日中、不在にしていると様子がわかりづらいとは思いますが、帰宅したときにママの様子を見ながら無理をしているようであれば、声をかけてあげて。できる家事は担当したり、便利な家電やサービスを導入したり、週末に一緒に行うようにしても。ママと赤ちゃんへの全力サポートが必要な産後すぐはパパも体力勝負。お互いができることを補い合って、どちらにも負担がかかり過ぎないよう工夫していきましょう。

妊娠35週: お医者さんに聞くことは? 

赤ちゃんの気がかりを確認

おなかの赤ちゃんの現在の様子を確認しましょう。身長や体重、頭の位置、へその緒の位置、発達の様子など、気がかりがあるようであれば確認を。自分で調べて不安に感じていたことも、医師からきちんと説明を聞くことで安心できることがあるかもしれませんよ。

腰痛がつらいとき

大きなおなかを支えている腰への負担は大きいもの。姿勢などに気をつけていても、すでにある痛みがなかなか回復しないかもしれません。あまりにも腰痛がつらくて座っていられない、足のしびれを感じるという状態であれば、医師に相談をしてみましょう。湿布薬は胎児に影響を与える成分が含まれるものがあるため、自分の判断では使わないようにして。

どこまで運動をしていい?

体調が良いときに適度な運動を行うことは、マイナートラブルの予防や解消、出産への体力づくり、リフレッシュ、体重管理などメリットが多いのですが、調子が良いからとやり過ぎてしまうのは禁物。妊婦さんの状態によっては、避けた方がいい運動などもあるので、自分が行っていることに問題がないか、時間や負荷に問題はないか確認しておきましょう。また医師に確認をとっても、おなかの張りがあったり、体調が優れないようであったりしたら、すぐにお休みをします。

妊娠35週:よくある質問 

妊娠35週で出産しても大丈夫ですか?

妊娠35週での出産は後期早産となります。妊娠37週からの正産期までまだ少しあるため、赤ちゃんは発達の途中であり、生まれた後にNICU(新生児集中治療室)、GCU(新生児回復室)での治療が必要となります。からだの機能の多くが成熟してきていることから、34週未満に生まれた早産児と比べてリスクは低くなりますが、呼吸障害、低体温症、低血糖症、黄疸などの不安要素がないわけではありません。

妊娠35週で頭が下がってきたらどうすればいいですか?

「頭が下がってきている」とは、赤ちゃんの頭が下の位置になり、おなかの外に出るために骨盤の中に降りてきている状態のこと。出産が近づいているサインなのですが、まだ少し時期が早いので、これ以上進まないよう安静にすることが大切です。状態によっては進行を遅らせるための薬を処方されることもあります。

妊娠35週は疲れやすいですか?

大きなおなかの重さやホルモンバランスの変化などから、妊娠35週頃は全身に疲れや重だるさを感じやすくなることがあります。また、ホルモンの影響で眠気を引き起こすこともあります。運動による適度な疲れは質の良い睡眠をもたらすこともありますが、疲れていると感じたら、休んだり、仮眠を取ったりして、からだを休めるようにしましょう。貧血による疲れの場合もあるので、鉄分を多く含む食品を摂るなど、食生活も見直してみて。

妊娠35週の赤ちゃんの平均体重は?

妊娠35週頃の赤ちゃんの重さの目安は1,800g~2,850gほど、平均体重は2,300g前後です。超音波検査による推定体重では誤差が±10%あると言われているので、大きめ、小さ目と言われても、正常範囲内で成長が進んでいれば、心配はあまりありません。

妊娠35週の前駆陣痛の症状は?

妊娠35週頃になると、お産が近づいてきたサインでもある前駆陣痛が起こることも。その症状はおなかがきゅうっと張ったり、チクチクした痛みを感じたりします。陣痛とは異なり、痛みは不規則で、しばらく安静にしていると治まることがほとんどです。

しかし、規則的になってきたり、痛みが強くなったり、おなかがカチカチに張ってしまったりする症状が出てきたら、病院へ連絡をしましょう。

妊娠35週ではまだ赤ちゃんが成熟しきっていないので、1日でも長く赤ちゃんがおなかのなかにいられるよう安静に過ごしてください。

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