妊娠カレンダー / 妊娠20週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠20週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠20週に知っておきたい大切なポイントは? 

妊娠6カ月のスタートとなる妊娠20週。おなかのなかの赤ちゃんがよく動くようになり、胎動を感じる妊婦さんが増えていきます。里帰り出産を予定している妊婦さんには、この20週までに1度受診することを推奨している産院が多いようです。

妊娠20週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠20週は妊娠何カ月?

妊娠中期・妊娠6カ月の第1週です。妊娠20週は妊娠6カ月の始まりの週。からだは絶えず変化しており不安が尽きない妊婦生活ですが、いよいよ半ば、折り返しとなります。

妊娠20週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠20週:赤ちゃんの大きさは?

妊娠20週の赤ちゃんは、頭からおしりまでの長さは約20cm、太ももの骨の長さは約3cm、体重は約270gになりました。妊婦健診の超音波検査では、赤ちゃんの全身が画面いっぱいに見えることでしょう。

妊娠20週:赤ちゃんの様子は?

妊娠20週の赤ちゃんを見ると、指をしゃぶったり、足を蹴るような動きを見せたりするようになります。手足を活発に動かす赤ちゃんらしい様子が見られるとまた愛おしさが増していきます。また、赤ちゃんがよく動くようになることで、胎動を感じられるようになったり、強く感じやすくなったりしていきます。

妊娠20週:赤ちゃんの発達は?

妊娠20週の赤ちゃんのからだは、皮下脂肪はまだ少ないものの、肌は厚みを増しています。髪の毛や眉毛、まつ毛が生え、顔立ちもはっきりしてきて、赤ちゃんの様子がよく分かるようになっていきます。立体的に見える4Dエコーは、20週頃から見ることが出来るようになります。

妊娠20週:妊婦さんのからだは?

妊娠20週:妊婦さんのからだの様子は?

妊娠20週になると、多くの妊婦さんが胎動を感じられるようになります。早いと17週頃から感じるようですが、多くの妊婦さんがおなかのなかの赤ちゃんの動きが活発になっていく妊娠20週前後から感じはじめます。

「おなかがポコポコ、ピクピクした」「腸がぐるぐる動いているのかと思った」「魚が泳いでいる感覚」など、はじめての胎動の感じ方は人それぞれ。心身がリラックスしている、お風呂に入っているときや寝ころんだ状態のときに分かりやすい傾向があります。

しかし胎動の感じ方には個人差があるので、まだ感じられないからといっても、健診で問題がないようであれば不安を感じることはありません。赤ちゃんの様子が心配であれば健診で相談してみましょう。

胎動は赤ちゃんからのサイン。頻繁に感じられるようになったら、パートナーにも感じてほしいものですよね。皮膚の温度があまり下がらないゆったりした温かい環境、お風呂やお布団の中などで、長めに触れていると分かりやすいようです。

妊娠20週:妊婦さんのおなかの大きさは?

妊娠20週頃になると、おなかが前にせり出して、目に見えて大きさを感じるようになります。重心が変わってくるため、バランスを崩しやすくなります。

妊娠20週:妊婦さんが気をつけること・することは?

胎動を感じるようになったら

胎動を感じるようになったら、話しかけたり、おなかに触れたりしてコミュニケーションを図ってみましょう。少しずつ赤ちゃんの聴覚も発達しています。外からの音は聞こえにくく、反応が返ってくることは少ないかもしれませんが、ママやパパの声を伝えたり、胎動に応えたりして、少しずつコミュニケーションを深めていきましょう。赤ちゃんがおなかのなかにいるときだけのこの特別な時間を楽しんで。

からだの重心の変化に気をつけて

おなかが大きくなってきてバランスを取りにくくなっているので、歩く時や立ち上がる時など、いつもの動きにおいても注意が必要です。電車やバスに乗るときにもなるべく手を添えるなどして注意を。また、おなかが大きくなると、ついからだを反ってしまいがち。腰痛などを引き起こす要因になるので、立つときや歩くときの姿勢にも気をつけておきましょう。

切迫流産、切迫早産の兆候を感じたら

妊娠22週未満で流産のおそれがある状態を「切迫流産」、妊娠22~37週未満で赤ちゃんが生まれてくる可能性が高まっている状態を「切迫早産」といいます。

出血やおなかの張り、腹痛など、切迫流産や切迫早産の兆候を感じた際は注意が必要です。出血は内診後などの一時的なものであれば心配は少ないですが、繰り返したり、量が多かったり、痛みを伴ったりする場合はできるだけ早めに受診をしましょう。横になってもおなかの張りが収まらないときも同様です。

「切迫」とついているので今にも流・早産してしまいそうで、実際にすぐに生まれてしまうこともありますが、多くの場合はそこまで危機的状況ではありません。張り止めの薬も不要で、安静だけの様子見となることもあります。しかし、切迫症状が進むと流産や早産になってしまいますので、医師の指示に従って安静に過ごしましょう。

経過が順調であれば適度な運動を

妊娠5カ月から妊娠6カ月、7カ月は、妊娠安定期と呼ばれる時期。おなかが大きくなっていきますが、張りや痛みなどがなく、体調が落ち着いている状態であれば、ウォーキングなどの軽めの運動を適宜取り入れて。体重の増加を予防し、リフレッシュにもなります。

里帰り出産をするなら事前受診を

妊娠後期頃から地元へ帰り、実家の近くの産院で出産、産後を実家等で過ごす「里帰り出産」。親からのサポートを受けながら産前産後を過ごすことができるので、里帰り出産の選択をする妊婦さんは少なくありません。

現在妊婦健診を受けている産院から転院して出産することになるため、早めに里帰り先の産院を決める必要があります。安心して出産に臨むためにも妊娠20週までには、転院先の病院を一度は受診しておくといいでしょう。その際には現在通っている産院に紹介状をもらっておいてください。

いつ頃までに転院が必要か、お産入院の際に必要なものはなにか、費用はどれくらいかなど、産院によって細かな点が異なってくるため、実際に転院した際に困ることが少なくなるようしっかりと確認をしておきましょう。

また、産前産後に実家でどのような過ごし方をするかも考えておくと安心。特に初産の場合は、親にとっても初めての状況です。甘えすぎてしまうと負担になってしまうことがある点を忘れないで。

なお里帰り先でどのくらいの期間を過ごすかにもよりますが、産後の出血や乳房外来など産後すぐの様々な相談は、原則として分娩した病院でしか対応できないことがあります。

産後ケアについては病院によって対応がさまざまなので、事前に確認しておくといいでしょう。

妊娠20週のチェックリスト

部屋の片付け

今後、おなかがさらに大きくなるとからだを動かしづらくなります。いまのうちに産後のベビースペースを想定し、部屋の片付けを行っておくと後々ラクになるでしょう。産前産後は慌ただしくなりますし、切迫早産などで急遽入院するようなことも考えられます。里帰り出産を考えていたとしても、実家から帰ってきて赤ちゃんのお世話をするのは自宅。赤ちゃんがメインで過ごす場所や、おむつや洋服などのベビーグッズ置き場など、必要なスペースを確保できるように不要なものを片付けたり、処分をしたりしておきましょう。ただし、安定期とはいえ、重いものを運んだり、おなかに力を入れすぎたりすることは避けてください。

パートナーへの家事指導

産後1カ月は母体の回復のためにも、ママは安静に過ごすことが大切といわれており、その後も休まらない育児に、家事の手が回らない場面が多々でてきます。もちろん完璧に家事をこなす必要はありませんが、早いうちからどちらが担当しても家が回るようにあらかじめ準備をしておくと安心です。

また、里帰り出産を予定しているなら、その2~3カ月の間、パートナーは一人で家事を担うことになります。その際に困らないようにしっかり引き継ぎをしておきましょう。

(引き継ぎを忘れがちな家事の例)
 ・家賃、電気やガスなどの公共料金の支払い
 ・曜日ごとのゴミ出しや分別
 ・洗濯機や食洗器の使い方
 ・日用品などのストック場所
 ・水回りなどの掃除のタイミングや仕方 など

産後サポートの情報収集

赤ちゃんのお世話のしやすさは生まれてみるまで全くわかりませんし、予定通りにいかないことも多々あります。突発的にパパやママが体調を崩してしまったり、外出する必要が出てきたり、人手が必要な事態も考えられます。特に新生児の育児には不安がつきまといがち。あまり背負いすぎてしまうと心も疲れてしまいます。

頼ることができる実家や義実家が近くにない場合、もしものときにからだや心を休め、不安を解消できるような自治体や民間のサポートがないかを、市報やホームぺージなどを活用して調べておきましょう。

お産入院からの退院後、滞在しながら育児のアドバイスを聞くことができる産後ケアホテルや産後ショートステイ、自宅で家事や育児のサポートをしてくれる産後ドゥーラなどさまざまなサポートがあるので、少しでも負担が減らせる方法を見つけておくと安心でしょう。

妊娠20週:パパにできることは?

妊娠20週に入り、そろそろママのおなかの大きさが目立つようになってきました。大きなおなかはバランスがとりにくく、重い荷物を運んだり、かがんだりするような動作は負担となっています。布団の上げ下ろしやお風呂掃除などは交代やフォローをするよう心配りを。

おなかに赤ちゃんがいるわけではないパパは、赤ちゃんの存在を実感しにくいかもしれません。けれど、日に日に大きくなるママのおなかを見るとどうでしょう? 最初のうちは気恥ずかしいかもしれませんが、たくさんおなかの赤ちゃんに話しかけてパパの存在を伝えてあげてください。パパの呼びかけに赤ちゃんも、そしてママもきっと安心するはずです。

妊娠20週: お医者さんに聞くことは?

赤ちゃんの様子をきいてみよう

妊婦健診では超音波検査(エコー検査)で、赤ちゃんの位置や成長の様子を確認していきます。手足を動かしている様子が見られるかもしれません。また、この頃になれば性別も判別しやすくなっていることでしょう。胎動が感じられないというのであれば、健診のときに確認してみても。

出血やおなかの張り、痛みを感じたら

内診やセックスなどのきっかけがなく出血している場合や、量が多いと感じたとき、おなかに痛みを感じるときなどは、切迫流産の可能性が考えられるため、早めに受診をしましょう。この時期の多くは早期に対応できれば妊娠を継続できる可能性が高いといわれています。医師にどのような対応が必要かを相談し、赤ちゃんのためにもその指示に従いましょう。

自宅安静にするようにいわれたら

自宅で安静に過ごすように言われたら、できるだけ横になり、家事や仕事を控えてからだへの負担が少ないようにします。医師に診断された際、自宅で安静にする場合は、どのくらい落ち着いたら解除して普通に生活をはじめてよいかも確認しておくと安心です。

20妊娠20週:よくある質問 

妊娠20週の子宮の中での赤ちゃんの育ち方は?

妊娠20週の子宮は大人の頭より少し大きめくらい。羊水に満たされたその子宮のなかで、赤ちゃんは頭からおしりまでの長さ約20cm、体重は270gほどの大きさに育っています。肌は厚みを増し、髪の毛や眉毛などが生え、耳の機能も発達。手足を動かすようになり、胎動を感じられるようになってきます。

妊娠20週で何キロ太る?

ゆるやかに上昇して欲しい体重ですが、おなかの赤ちゃんが成長し、それに伴って胎盤・羊水が増え、出産に向けて脂肪などの蓄えも増えていきます。体調が落ち着く安定期の食欲は妊娠前と変わらない状態ながら、運動量が減って体重が増加傾向になっていくため注意が必要です。

また、痩せすぎも妊婦さんにとっては良い状態とはいえません。おなかの赤ちゃんに十分な栄養を届けられるよう、心がけたいのは適正な体重増加となります。

体重増加の適正値は妊娠前の「BMI(Body Mass Index)」と呼ばれる体格指数によって異なります。

BMI=妊娠前の体重(kg)÷身長/m÷身長/m

●BMI 18.5未満…痩せ体型
●BMI 18.5以上~25未満…標準体型
●BMI 25以上~30未満…肥満体型

妊娠20週頃であれば、【痩せ体型】の妊婦さんは妊娠前の体重+4.5kg~6.5kg前後、【標準体型】の妊婦さんであれば+2.5kg~5kg前後、【肥満体型】の妊婦さんであれば+0.5kg~2.5kg前後が目安です。なおBMI30以上の場合は、個別相談となります。

妊娠20週でしんどいのはなぜですか?

おなかが大きくなっていく妊娠20週頃は今までとからだの重心がかわり、子宮の圧迫も徐々に増えていくため負担が増えていきます。そのため、からだを動かすとしんどいと感じることが多くなるでしょう。場合によっては貧血が進んで疲れやすくなっているケースもあります。一般的な妊婦健診では採血の機会も多くはないので、もともと貧血がちな人は意識して鉄分を含むサプリメントなどを検討したほうがよいでしょう。

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