妊娠カレンダー / 妊娠19週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠19週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠19週に知っておきたい大切なポイントは?

妊娠5カ月の最後の週になりました。母親学級や両親学級への参加予定はありますか。これから迎える出産や産後の育児について学べるいい機会なので、まだ予約をしていない方は検討を。体調が安定して油断しがちな時期ですが、妊婦さんのからだはフル稼働で赤ちゃんに栄養や酸素を届け続けています。そんな妊娠19週頃のからだのことや、やっておきたいことをご紹介します。

妊娠19週は妊娠何カ月?

妊娠16~19週にあたる妊娠5カ月の最終週です。出産予定日は40週0日なので、そろそろ出産までの折り返し地点を迎えます。

妊娠19週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠19週:赤ちゃんの大きさは?

赤ちゃんの頭殿長(あたまからおしりまでの長さ)は16~18cm程度になりました。もうすぐ超音波検査の画面内に赤ちゃんの全身が入らなくなってきます。体重は250g程度、桃ひとつ分くらいの重さです。

妊娠19週:赤ちゃんの様子は?

自分の意思で手足を動かせるようになり、羊水のなかで活発に動いています。妊娠19週頃の赤ちゃんは生まれた後と同じように寝たり起きたりを繰り返していて、寝ているときには胎動を感じないことがほとんど。顎を胸にのせていたり、腕をあげていたり、好きな体勢で寝ています。

妊娠19週:赤ちゃんの発達は?

女の子は子宮や卵管、腟などの生殖器ができあがるころです。男の子の生殖器も形が完成しています。超音波検査でも女の子、男の子それぞれの生殖器を確認できる頃なので、性別がわかるようになります。

妊娠19週:妊婦さんのからだは?

妊娠19週:妊婦さんのからだの様子は?

本格的に機能し始めた胎盤はこれから出産までの間にどんどん大きくなります。最終的には500~600g程度にもなり、赤ちゃんの成長を助けます。

おなかや乳房が大きくなるにつれ、腰痛や肩こり、背中の痛みなど、からだのさまざまなところが痛くなる人が増えてきます。体調がよければ、軽い運動でからだを動かして、筋肉をほぐしたり、筋力をあげたりするのもおすすめです。

妊娠19週:妊婦さんのおなかの大きさは?

子宮は大人の頭ぐらいのサイズです。おなかが目立つ人が増えてきますが、出方は個人差が大きいもの。経過に問題がなければ同じ週の妊婦さんより大きくても、小さくても心配ありません。妊娠を経験している経産婦さんは、子宮やおなかまわりの筋肉の伸びがよく特に大きくなるのが早い傾向があります。

妊娠19週:妊婦さんが気をつけること・することは?

貧血を予防する

赤ちゃんに血液を届けるために、血液量が増えています。そのとき血漿成分(水分)が増えるのに、赤血球の造成が追いつかず、貧血の状態になってしまいがちに。そのため妊娠中は普段の3倍以上も鉄分が必要と言われています。貧血気味の人はもちろん、これまで貧血で悩んだことがない人も、積極的に鉄分を摂るようにしてください。

貧血が進むと、息切れやめまい、立ちくらみなどを引き起こす要因となります。さらに出産のときに出血量が増えたり、早産や赤ちゃんが低体重になったりするリスクも。徐々に貧血がすすんでいるときは自覚症状を感じにくいので、日常から鉄分が多く含まれる食材をとりいれるようにしましょう。

[鉄分の上手な摂り方]

・赤みの肉や魚介類、レバーに含まれる「ヘム鉄」、小松菜やひじきなどに含まれる「非ヘム鉄」をバランスよく摂る

・吸収率を上げるためにたんぱく質やビタミンCを含む食材と一緒に摂る

・鉄の吸収を妨げるタンニンを含む紅茶や緑茶は食後に飲まないようにする 

など

食事だけで改善されない場合は、医師から鉄剤を処方されることがあります。胃のむかつきや便秘などの副作用がつらいときは、薬の種類を変えてもらう相談をするといいでしょう。貧血は改善しておきたい症状のひとつなので、自分の判断で鉄剤を飲むことをやめるのは避けてください。

おなかが張ってないかチェック

妊娠中のトラブルの自覚症状のひとつが「おなかの張り」です。子宮が収縮することで起こる症状で、おなかがキュっとかたくなる感覚があります。軽い張りなら心配ないことが多いのですが、定期的な張りや痛み、出血を伴うものは注意が必要。流産につながるサインの可能性もあります。からだの動かし過ぎや疲れ、冷えなどが要因で起こりやすいので、張ったら安静にしましょう。妊娠20週以降は特におなかの張りを感じやすくなります。

下腹部が引っ張られるような痛みがあったら

赤ちゃんが大きくなるにつれ、子宮の上方と足の付け根あたり(鼠径部)をつないで支える円靭帯という組織が引っ張られて痛みを感じることがあります。特に妊娠19週前後は子宮が急激に大きくなる頃。子宮を支える円靭帯も引き伸ばされ、その際に痛みが出てしまうのです。下腹部や足の付け根のあたりにズキズキとつったような感覚があり、立ち上がった時や歩いた時に痛みを感じることが多いようです。なかには激痛で動けなくなる人も。安静にして、痛みがあるところをお風呂や湯たんぽ等で温め、マッサージやストレッチをするといいでしょう。痛みが強いときは市販薬や湿布は使わず、産婦人科の医師に相談を。おなかが硬い、痛みが長く続く、性器出血があるときは切迫流産の疑いがあるので、受診するようにしてください。

鼻のトラブルが起きたら

血液量が増えることで鼻の粘膜への血流も増えます。そのため粘膜がうっ血して、鼻づまりや鼻血を引き起こしやすくなります。鼻をかむ回数がふえて中耳炎になる妊婦さんもいます。つらいときは我慢せず産婦人科の医師に相談してください。おなかの赤ちゃんに影響が少ない治療が必要なので、耳鼻科にかかる際は必ず妊娠中であることを伝えるようにしましょう。

運動で体力づくりを心がける

からだが大きく重くなると動きづらくなりますが、妊娠中の運動は推奨されています。出産をはじめ、その後の育児も体力勝負。体調が安定し、比較的からだを動かしやすいこの時期にしっかり体力づくりをしておいてください。筋力は腰痛や背中の痛み予防や、出産時のいきむ力にもつながります。もちろんドクターストップがかかっていたり、体調がすぐれなかったりするときはNG。頑張りすぎにも注意してください。

結婚式にお呼ばれされたら

友人や家族の結婚式にお呼ばれされる妊婦さんもいることでしょう。体調が安定していれば結婚式に参加することは問題ありません。生ものを避けたメニューにしたり、疲れにくい椅子を用意したりするなどの対応をしてくれる式場も多いので、主催者に妊娠している旨を事前に伝えておくといいでしょう。滞在時間が長くなるときは二次会を遠慮したり、途中で休みをとったり、無理がないように調整を。臨月に入ってからは、いつお産が進行してもおかしくない時期なので無理して参加しない方が無難です。体調が落ち着いているときに個別でお祝いをしたり、ビデオメッセージを寄せたり、お祝いの気持ちを伝える他の方法を探してみてください。

妊娠19週のチェックリスト

母親学級/両親学級への参加

妊娠や出産の正しい情報や赤ちゃんのお世話について専門家から教えてもらえる母親学級や両親学級にはぜひ参加を。なかにはパートナーが妊娠後期の妊婦さんのおなかと同じ重さの「妊婦ジャケット」を着用体験できるところもあります。産後の赤ちゃんとの生活について具体的に学べるので、パートナーの育休取得を考えるきっかけにもなるでしょう。

性別について

そろそろ男女ともに外性器が発達し、妊婦健診の超音波検査で性別を判断できるようになります。ただし赤ちゃんの向きや体勢によってはまだわからないことも。生まれるまでどちらの性別か楽しみにしておきたい人は、超音波検査の前に「性別は内緒で」と医師に伝えれば間違いないでしょう。

塩分をとりすぎてないかチェック

塩分をとりすぎると妊娠高血圧症候群を引き起こす要因になると考えられています。重症化すると母子ともに危険を伴う、妊娠中期・後期に注意が必要な病気です。味つけを薄めにする、減塩食品を選ぶ、市販のお惣菜や外食をなるべく避けるなど、食生活の見直しを。

ベビーグッズの情報収集をはじめる

ベビーグッズの情報も集めていきましょう。必要なものをリストアップしたり、お店をまわって実物や値段を見比べたり。赤ちゃんとの生活にはたくさんのグッズが必要なので、先輩ママ&パパからのお下がりやフリマサイト、レンタルなどを活用するのもいいですね。産後すぐに必要なもの以外、まだ揃える必要はありませんが、必要になったタイミングですぐに揃えられるよう、徐々に情報収集しておくことが大切です。

妊娠19週:パパにできることは?

妊娠中のことや産後の実践的な赤ちゃんのお世話の仕方を学べる両親学級には、ぜひ参加してください。妊娠さんのからだで何が起こっているのか、どのくらい頑張っているのかを知れるチャンスです。出産や子育てを控える2人にとって、とても大事な学びの時間になるでしょう。予約がとりづらいこともあるので、優先的に都合をつけるようにしてください。

妊娠19週: お医者さんに聞くことは? 

体重管理がうまくいかないときは

太りすぎも痩せすぎも赤ちゃんに影響します。体重増加は適正か、確認するようにしてください。うまくコントロールできない人は、体重管理のアドバイスをお願いしてみましょう。

おなかの張りがわからないときは

おなかの張りはトラブルを知らせるSOSサインです。腰痛だと思っていたら実はおなかの張りで切迫流産が進んでいたというケースや、出血を伴う場合は緊急受診が必要な可能性もあります。どういう状態だと受診が必要なのか、緊急なのかなど、目安をきいておくと安心です。

受診が必要なリスクの兆候を確認

おなかの張り以外に、出血やおりものの変化もSOSサインのひとつです。妊娠19週は後期切迫流産の恐れがある時期。早めの治療で防げることも多いので、トラブルの兆候やサインは確認しておくようにしましょう。

おりものに異常があったら

子宮頚管や腟が何らかの菌に感染すると、おりものに変化がでることが多いです。色やにおいがいつもと違う、かゆみを伴うなどしたら受診を。色や形状、においなど、どのようなおりものだったか答えられるよう確認しておきましょう。

痛みや苦しさなど、気がかりな変化があったら

下腹部が引っ張られるような円靭帯の痛みや腰痛など、日常の痛みについても我慢せず相談を。症状によっては痛みをやわらげる薬の処方やアドバイスをしてもらえるかもしれません。

妊娠19週:よくある質問

妊娠19週の体重増加の目安は?

妊娠中の体重増加の目安は体型によって異なります。妊娠前が標準体型だった人の妊娠19週の増加の目安は、妊娠前の体重+2~4.5㎏。週に500g以上増加していると要注意です。赤ちゃんに栄養を届けるために太りやすい体質になっています。からだを動かしにくい妊娠後期や、産前の里帰りなどで後半一気に体重が増えてしまう人が多いので、体重コントロールの習慣をつけておきましょう。妊婦健診は4週に一度しかないので、自宅でもこまめに体重を測ってください。

妊娠19週です。妊娠中で一番しんどい時期はいつですか?

妊娠初期はつわりや眠気などの初期症状、中期は食欲と体重管理の葛藤、後期はからだが重く痛みが増える…など、その時々でしんどいことはあります。流産や早産のリスクは常にありますし、疲れやすさや息切れなどのマイナートラブルも尽きません。でもそのことがあまり気にならない人もいますので、しんどさは気の持ちようかもしれません。

妊娠19週で胎動を感じません。大丈夫ですか?

胎動の感じ方は個人差があるので、妊娠19週で胎動を感じなくても異常ではありません。しかし赤ちゃんの推定体重の伸びが悪い、羊水が多すぎ少なすぎなどの何らかの因子が隠れているかもしれないので、「大丈夫だろう」で済ますのも正しくありません。胎動を感じないことをかかりつけの医師に相談して、必要であれば通常なら4週に1回のところを2週に1回確認してもらうといったこともできます。

妊娠19週頃の胎動は、腸が動いてるようなわずかな感覚です。聴覚が発達し、ママの声も聞こえてくる頃なので、リラックスした状態で話しかけてみると、赤ちゃんの動きを感じられるかもしれませんよ。副交感神経が活発になる夜の方が胎動を感じやすいようです。

妊娠19週です。流産の危険はどれくらいありますか

赤ちゃんがおなかの外で生きられるぎりぎりのラインは妊娠22週とされています。そのため22週未満に妊娠を継続できなくなる場合は、「流産」といいます。8~9割は妊娠12週までに起こってしまい、赤ちゃんの染色体に原因がある場合がほとんどです。しかし、後期流産に分類される妊娠12~21週の流産は母体側に原因があることが多くなります。持病や感染症など、原因はさまざまですが、早期対応で流産を防げる場合もあります。順調でも妊婦健診は必ず受診し、おなかの張りや出血などのSOSサインを見逃さないようにしましょう。

LINE 友達登録特典
Pregnancy Guide
特典1
妊娠・出産のプロがつくった
出産・育児ガイドブックを無料プレゼント!
特典2
妊娠週数に合わせたメッセージを配信!
記事URLをコピーしました