妊娠カレンダー / 妊娠17週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠17週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠17週に知っておきたい大切なポイントは?

からだの不調が落ち着き、食欲がでてくる頃です。妊娠中はホルモンの影響で栄養をからだに貯めこもうとするため、太りやすい状態になっています。体重の増えすぎによるお産のリスクやからだの変化など、妊娠17週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠17週は妊娠何カ月?

妊娠16~19週にあたる妊娠5カ月の第2週。初期の不調が落ち着き、体調が安定してきます。おなかやからだがふっくらと丸みを帯びてきて、妊娠していることに気づかれ始める頃でしょう。

妊娠17週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠17週:赤ちゃんの大きさは?

赤ちゃんの大きさは14cm程度に成長しました。両手の手のひらに載るくらいのサイズで、重さは140g程度です。

妊娠17週:赤ちゃんの様子は?

赤ちゃんの皮膚を守る「胎毛」とよばれる産毛が全身に生えてきます。うっすらと眉毛やまつげも生えてきて、より人間らしい顔つきに。骨格や筋肉が発達して、羊水の中を動き回ることもできます。早い人は、赤ちゃんの手足が子宮の壁にあたったときに、胎動を感じられるかもしれません。

妊娠17週:赤ちゃんの発達は?

皮脂腺が分泌をはじめ、「胎脂」となって赤ちゃんの皮膚を覆うようになります。胎脂は、分泌物と剥がれた表皮細胞が混ざったクリーム状の物質のこと。赤ちゃんのやわらかい皮膚を守り、羊膜とくっついてしまうのを防ぐ役割もあります。皮膚としての厚みや機能が高まり、もう内臓が透けてみえることもありません。

腎臓や膀胱が完成し、少し前から羊水を飲み込んでは排出する消化の練習をしています。赤ちゃんの老廃物は胎盤を通じてママのからだに戻されるうえ、羊水は常に新しく作られているので、羊水の中におしっこをしても老廃物はなく、きれいなままです。

妊娠17週:妊婦さんのからだは?

妊娠17週:妊婦さんのからだの様子は?

胎盤が完成して不安定な時期が過ぎ、快適に過ごせる日が増えてきます。おなかがふくらみはじめ、早い人は胎動も感じられるので、妊娠していることをより実感できるでしょう。食欲ややる気が増してアクティブに動きたくなりますが、おなかを支えるために姿勢がのけ反って腰痛になったり、血液量の増加で息切れしたりして思うように動けず、気持ちとからだのギャップに戸惑うことがあるかもしれません。

妊娠17週:妊婦さんのおなかの大きさは?

おなかのふくらみが目立ち始める頃です。乳房も妊娠前より一回りほど大きくなるので、乳腺の発達を妨げないようゆったりとした服装を心がけて。妊娠5カ月の「戌の日」に腹帯をつけて安産祈願をする風習があります。腹帯や妊婦帯は大きくなるおなかを支えてくれ、冷え対策にもなります。

妊娠17週:妊婦さんが気をつけること・することは?

体重の増えすぎや抑えすぎに注意

赤ちゃんに栄養を届け、守ろうとするホルモンの影響で、皮下脂肪をためやすくなっています。つわりが落ち着き、食欲が増す頃ですが食べ過ぎには注意してください。体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高まります。また産道のまわりに脂肪がつくことで赤ちゃんが通りにくくなったり、出産時の出血が増えたりすることもあります。

しかし痩せすぎなのもNG。赤ちゃんの発育不全や低体重児になるリスクがあります。産院の指導に沿って適切な体重管理を心がけましょう。

体重管理の一番のポイントは、規則正しく栄養バランスがとれた食事を摂ること。必要な栄養を赤ちゃんに届けるためにも、この機会に食生活を見直すのもおすすめです。健康的な食生活は、授乳期や赤ちゃんの離乳食、成長期…と、今後も役立つ習慣になりますよ。

体重が増えすぎないようにするコツは、
・[週に一度は体重を測って増加量をチェックする]
もともとの体型にもよりますが、1週間に300~500gが増加の目安

・[食べたものを記録する]
糖分を摂り過ぎてないか、塩分や栄養の偏りもチェック

・[適度に運動する]
おなかが大きくなると運動不足になりがち。体調に問題なければ適度にからだを動かすようにしましょう

・[低カロリーを意識]
脂肪分が少ない食材や調理法を選ぶようにしましょう

などがあげられます。

おへその上下にのびる黒い線をみつけたら

おへその上下にまっすぐ縦に入った黒い線は「正中線」といわれるものです。受精卵からからだが形作られていく過程で左右からあわさる名残りの線で、もともとすべての人にある線です。普段はわかりにくいのですが、妊娠中は女性ホルモンの影響でメラニン色素の分泌が活発になるため、濃く目立つことがあります。産後1年ほどで色が薄くなるので、心配し過ぎないで。

痔にならないよう便秘に注意を

妊娠を安定させるために分泌されるプロゲステロンの影響で腸の動きが鈍くなっているのと、大きくなった子宮が腸を圧迫するので妊娠中は便秘になりがち。さらに腹圧をかけるのが怖くて排便をがまんして、ますます便秘が進むという悪循環にも陥りがちです。排便しない日が続くと便がかたく太くなってしまい、排出するときに肛門が切れる切れ痔になってしまうことも。食物繊維や水分を摂ったり、軽い運動をしたりしても便秘が長く解消されないときは、産婦人科の医師に薬の処方を相談してみてください。

つわりのような胸やけのこと

妊娠中期に入っても吐き気や胸がむかむかする、つわりのような症状が続くことがあります。つわりは10週頃にピークを迎え、16週頃には終わる人が多いのですが、個人差も大きく出産間際まで症状が続く人もいます。子宮が大きくなることで胃や肺が圧迫され、胸のむかつきを感じることもあります。食事を小分けにしたり、油分が多いものを避けたりしてみてください。

妊娠17週のチェックリスト

歯科健診に行く

歯科健診は受けましたか。妊娠によって分泌が増える女性ホルモン・エストロゲンは歯周病菌の好物。免疫力も低下しているので、歯周病や虫歯になりやすくなっています。特につわりで歯みがきが疎かになっていた人は要注意。歯科健診を受けるようにしてください。歯周病だと、早産や低体重児出産の確率が3~7倍に増加するという報告もあります。今後さらにおなかが大きくなると仰向けでの治療が辛くなるので、この時期の受診がチャンスです。

適正体重を確認

体重増加の目安は把握していますか。増えすぎても抑えすぎてもリスクがある、妊娠中の体重。増加する重さの目安は妊娠前の体格によって異なるので、医師や病院スタッフに確認して自分の適性増加量を把握しておくといいでしょう。がんばっても増えるペースを落とせないときは相談してアドバイスをもらうのもいいでしょう。食事を抜くなどの無理なダイエットは禁物です。

マタニティクラスの予約

通っている病院や自治体の保健所で、妊娠や出産の正しい情報や赤ちゃんのお世話について教えてもらえるマタニティクラス(母親学級・両親学級)が開催されています。初めて妊娠した妊婦さんはもちろん、パートナーも一緒に参加して、赤ちゃんや妊娠中のことを正しく知る機会にしてください。妊娠時期ごとに3~4回に分けて行われることもあるので、早めに調べておくようにしましょう。体調が安定しているこの時期の参加が理想です。

小児科の情報収集をはじめる

体調が安定し、からだを動かしやすい妊娠17週頃は産後に向けた準備を進めるチャンスです。なかでも小児科は赤ちゃんのお世話に不可欠な場所。気がかりなことがあるときはもちろん、産後すぐからはじまる予防接種でも通うことになります。近所にあることが何よりですが、自宅から離れた場所にあるときは公共交通機関からのアクセスや駐車場の有無、雨の日の導線なども確認しておくと安心でしょう。休診日が重ならない複数の小児科を抑えている先輩ママも多くいますよ。

流産の兆候を知っておく

妊娠22週未満に妊娠が継続できなくなることを流産といいます。流産全体の約8割は妊娠12週未満に起こるのですが、12週を過ぎてもリスクは常にあります。性器出血や下腹部の痛みなどいつもと違う症状があれば、すぐに受診するようにしてください。

妊娠17週:パパにできることは?

実際に胎動を感じている妊婦さんに比べれば実感がわかないかもしれませんが、このまま順調に妊娠や出産が進めば約半年後には赤ちゃんとの生活がはじまります。それまでの間、妊婦さんはからだの変化や出産にむけた準備で大忙し。ベビーグッズのお店や小児科の情報集めなど、パパにできることを探してサポートしてください。

妊娠17週: お医者さんに聞くことは? 

体重管理のコツを聞いてみよう

医師によって体重管理の指導法はさまざま。あまり指導を受けていない場合は、適正な体重増加の目安や、体重コントロールのアドバイスを受けてみるのもいいでしょう。

性別について

超音波検査で性別がわかる頃です。しかし赤ちゃんの体勢によっては判別しにくく、確証がもてない場合は伝えられないことも多いので、焦らず判定を待ちましょう。産院によっては性別を伝えない方針のところもあります。

もしものために

胎盤が完成し初期流産のリスクはぐっと減りましたが、感染症や子宮のトラブルなど母体側が原因の流産リスクは常にあります。すぐに受診が必要な危険な兆候について確認しておいてください。休日や夜間の緊急連絡先も控えておくといいでしょう。

遠出の計画があるときは

妊娠の状況によっては遠出を避けた方がいい場合があります。帰省を含めて、長距離移動やからだに負担がかかる場所に行くときは、医師に相談してからの方が安心です。海外旅行は基本的にNG。やむをえない事情がある場合は計画段階でまず医師に確認をとるようにしてください。

気がかりなことはメモに残す

ちょっとしたことでも、気になる症状があったときは健診で伝える習慣をつけるといいでしょう。少しの違和感がトラブルの前兆になっているかもしれません。時間が経つと忘れてしまいがちなので、メモに残しておきましょう。

妊娠17週:よくある質問

妊娠17週は安定期ですか?

胎盤が完成し、赤ちゃんの大切な器官や骨格もほぼ完成している妊娠17週は、「安定期」といわれる時期にあたります。赤ちゃんに栄養を届けたり、老廃物を受け取ったりする作業も胎盤が担ってくれるようになったので、からだの負担が減り、体調も落ち着いてきます。しかし感染症や妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などのトラブルや流産が起こる可能性はあるので、安定期という言葉に油断せず、今まで通り慎重に過ごしてください。

妊娠17週で赤ちゃんの性別はわかりますか?

そろそろ超音波検査で性別がわかり始めるころです。男の子の場合は比較的わかりやすいのですが、女の子の場合はわかりづらいうえ、外性器は未発達なので、確定するのはもう少し先でしょう。早く知りたい気持ちはわかりますが、超音波検査の目的は赤ちゃんの正常な発達を確認することなので、性別を教えてもらえなくても、焦らず、楽しみに待っていてください。

妊娠17週の適正体重はどれくらいですか?

妊娠17週頃の体重増加の目安は週に300~500g程度。もともと体重が多い妊婦さんはさらに増えすぎないよう注意してください。適正体重は妊娠前の体型によって異なります。BMI(妊娠前の体重/kg÷身長/m÷身長/m)が18.5未満の【痩せ体型】の人の増加の目安は、妊娠前の体重+3~5㎏。BMI が18.5以上25.0未満の【標準体型】の人は+1.5~3.5㎏。BMIが25以上30未満の【肥満体型】の人は-0.5~+2㎏が目安。体重コントロールが難しい場合は、無理せず通っている産院に相談するのもいいでしょう。(BMIが30以上は個別相談)

妊娠17週なのに、つわりが終わりません!

つわりは妊娠10週頃にピークを迎え、16週頃までに終わる人が多いのですが、個人差が大きく妊娠17週でもおさまらない人もいます。妊娠中に多く分泌されるプロゲステロンには腸の動きを鈍らせる働きがあるため、消化不良になりやすく、胃の不快感や便秘を引き起こすことがあります。食事を小分けにしたりするほか、便秘解消のために消化を助ける食品を摂ったり、適度な運動をしてみるのもいいでしょう。また、辛いときはかかりつけ医に相談を。血液量や羊水が増える時期なので、水分はしっかり摂るようにしてくださいね。

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