妊娠カレンダー / 妊娠29週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠29週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
監 修

河野照子 先生

医学博士
日本産科婦人科学会専門医
日本周産期・新生児医学会専門医 
日本超音波医学会専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠29週に知っておきたい大切なポイントは? 

妊娠29週になると赤ちゃんのからだの多くの機能が備わりつつあります。このままおなかのなかで健やかに成長を遂げていけるよう、早産には気をつけていきたいもの。妊娠29週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠29週は妊娠何カ月?

妊娠後期で妊娠28~31週にあたる妊娠8カ月の第2週です。赤ちゃんの成長速度も増しており、妊婦さんの体重も一気に増加しやすい頃です。

妊娠29週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠29週:赤ちゃんの大きさは?

妊娠29週頃の赤ちゃんの大きさは、身長約38cm前後、重さは1,200~1,400gほどになります。胎動にも力強さを感じるようになっているのではないでしょうか。

妊娠29週:赤ちゃんの様子は? 

皮下脂肪がさらに増え、赤ちゃんらしい、丸みのあるからだつきになっていきます。からだの表面にあって、羊水を弾き、肌を守っている皮脂も厚みを増しています。髪の毛が伸びている様子も見られるかもしれません。髪の毛の太さや髪質は遺伝によるものが多いといわれています。赤ちゃんはどんな髪型で生まれてくるのか楽しみですね。

妊娠29週:赤ちゃんの発達は?

おなかの外に出てからもしっかりと呼吸ができるように、肺胞やそれを取り囲む血管などの肺の機能の発達が進んでいます。胃や腸などの器官の形成も進み、腸で胎便も作られています。飲み込んだ羊水に含まれるものでできた胎便は、生まれてから排出されます。

妊娠29週:妊婦さんのからだは?

妊娠29週:妊婦さんのからだの様子は? 

おなかが大きくなっていることで、からだのあちこちへの負担を日々感じていることでしょう。大きくなった子宮が血管を圧迫したり、おなかを支えるための筋肉が疲労したりしていて、非常に疲れやすくなっているかもしれません。疲れやおなかの張りを感じたらすぐに休憩をし、からだを休めるようにします。

妊娠29週:妊婦さんのおなかの大きさは? 

妊娠29週頃は、日常生活にも注意が必要なほど、おなかが大きくなっている時期です。足元が見えにくくなっているので、ちょっとした段差などにも注意を。階段での移動は手すりを使うなどして、転倒しないように配慮しましょう。

妊娠29週:妊婦さんが気をつけること・することは?

恥骨の痛みについて

子宮を守るように位置する骨盤は3種類の骨、仙骨・尾骨・寛骨(腸骨・座骨・恥骨)から成っており、上半身と下半身をつなぎ、からだを支える役割があります。

骨盤の前側、アンダーヘアのあたりにある恥骨に痛みがあることを恥骨痛といいます。妊娠中に起きやすい恥骨痛の原因は、リラキシンというホルモンの影響で赤ちゃんが通りやすくなるように骨盤の骨のつなぎ目が緩むため、恥骨結合や骨盤の関節が引っ張られること、骨盤底筋群の筋力低下などがありますが、妊娠後期になると、大きくなった子宮や赤ちゃんの頭が恥骨を圧迫する影響もあります。

対策としては、姿勢を見直す、妊婦さん用の骨盤ベルトを着用するなどを行ってみましょう。痛みが強く緩和されない場合は医師に相談することをおすすめします。

妊娠後期に現れる皮膚のかゆみ

妊娠後期に入って、おなかなどに強いかゆみを伴う、じんましんのような赤いぶつぶつが現れることがあります。これは多形妊娠疹(PEP)、もしくは妊娠性掻痒性蕁麻疹様丘疹(PUPPP)とよばれるもので、炎症が強いと水泡になることもあります。

妊娠初期に現れる妊娠性痒疹とは異なり、初産の妊婦さん、特に双子の妊娠時に現れやすいといわれています。原因は不明で出産後には落ち着くとみられていますが、かゆみが強くて寝られないということもあります。辛いときは妊娠中に使える薬もあるので、医師に相談をしましょう。

また、おなかが大きくなっていくことで肌がのび、水分が不足してかゆくなっているようであれば、肌への刺激があるものを減らして、しっかり保湿するようにしましょう。逆に新陳代謝が活発になって汗をかきやすくなってかゆみを感じることもあります。その場合はこまめに汗を拭いたり、シャワーを浴びたりするなどして清潔を保つようにして。

おなかが張らないようにできること

出産や危険な合併症のサイン以外にも、生活の中でおなかが張ることがあります。おなかの張りは子宮が収縮することで感じられるので、休んでいると治まることがありますが、生活習慣の改善も、おなかの張り予防につながると言われています。しっかり睡眠をとり、心身のストレスの解消を心がけて。またからだを温めることも大切です。ゆっくり入浴したり、飲食では温かいものを選ぶようにしたり、腹巻をつけたりなど、からだの中と外から冷えの対策を行います。

妊娠29週のチェックリスト

立ち仕事は会社に相談を

働く妊婦さんのなかには立ち仕事をしている方もいることでしょう。立ちっぱなしでいると、おなかの張りやむくみなどを起こしたり、大きなおなかを支えるために無理な姿勢をして痛みを感じたりすることがあるかもしれません。ヒールのない靴をはき、休憩時間には横になるなどの対応に加え、できればこまめに座って休むようにするといいでしょう。今後はおなかがさらに大きくなっていくので、長時間立ちっぱなしでいるのはからだへの負担が大きくなります。妊婦さんと赤ちゃんの健康のためにも、仕事内容や勤務時間について職場に相談を。

産休手続きの確認

産前休業、いわゆる産休は分娩予定日の6週間前(多胎妊娠では14週間前)となる妊娠34週頃から取得できます。その申請は1カ月前までにと定められているため、勤務先に必要な手続きを確認し、期日までに申請を行えるようにしましょう。

自転車の運転について

おなかか大きくなると移動が大変になってくるため、その手段に悩むことも多いと思います。特に上の子がいると、まだ自転車を利用している妊婦さんがいるかもしれません。しかし、妊娠29週にもなると足元も見えづらく、バランスをとることも難しくなっているはず。転倒の可能性が非常に高いため、別の交通手段を考えるようにしましょう。

産後の赤ちゃんの預け先を調べておく

出産後は赤ちゃんのお世話で慌ただしくなります。特に近所に実家や義実家などの頼れる先がない場合は、今のうちに万が一のときに赤ちゃんを預けられる先があるかの情報を集めておくと安心です。産後に急にママの体調が悪くなってしまったり、突然子どもを預けなければならない用事が発生することもあります。また健やかに赤ちゃんを育てるためにも、精神的なゆとりを持てるよう自分の時間を確保することも大切です。

赤ちゃんを預ける場所として、自宅でお世話をしてくれるベビーシッター、保育園で他の赤ちゃんと過ごすことができる一時預かり、地域で子育てを助けあうファミリー・サポート・センター(通称ファミサポ)、母子で過ごす産後ケアセンターなどさまざまなサポートがあります。自治体のサービスは費用が安い傾向がありますが、民間のサービスは細やかなサポートがあります。まず、自分の住んでいる地域ではどのようなサービスを受けることができるのか、何カ月から受け入れ可能なのか、費用はどれくらいかかるのかなどを調べ、産後の自分と赤ちゃんにとって最適なサービスを利用できるようにしておくといいでしょう。

音楽鑑賞やスポーツ観戦

音楽鑑賞やスポーツ観戦は気持ちをリフレッシュすることができますが、人混みの中での鑑賞は、万が一体調が悪くなったときに対応できない可能性があります。激しく動いたり、興奮してしまったり、長時間同じ姿勢でい続けたりする場合は、負担も大きくなるので避けたほうが無難でしょう。また、会場内は段差が多く、急こう配なことがあるので移動にも気をつける必要があります。

妊娠中のおやつについて

体重管理を考えると間食は控えたいものですが、おなかの圧迫から食事がしっかりとれていない場合や我慢することでストレスを強く感じてしまう場合は、間食が必要となることも。その際は、塩分を多く含む高カロリーなスナック菓子などは避け、食事で不足している栄養を補うメニューを選ぶようにすればプラスのメリットもあるでしょう。

良質なたんぱく質を含む大豆製品や乳製品、カリウムを含むバナナやドライフルーツ、カルシウムを含む小魚、低カロリーで食物繊維も摂れるこんにゃくゼリーや寒天など。1日全体の食事の内容を踏まえながら、足りない栄養を補う補食として捉えるようにしましょう。

妊娠29週:パパにできることは?

出産入院をする間、パパは家のことをひとりで行っていくことになります。上の子がいるのであればその世話も加わります。近くに実家があって両親に頼れる場合でも、ママが不在時の出入りとなるため、その協力の度合いはママと相談をしながら決めていくといいでしょう。

また、出産後、赤ちゃんが家にやってくると、お世話でてんやわんやになることも。出産でからだにダメージを受けているママは、退院後少なくとも1カ月は安静にする必要があるので、パパが活躍する場面です。赤ちゃんの世話と家事の分担で慌てないよう、今からできる準備をしておいて。

妊娠29週: お医者さんに聞くことは? 

妊娠高血圧症の症状があったら

妊娠高血圧症候群は妊娠後期に気をつけたい合併症のひとつ。もともと高血圧や糖尿病である妊婦さんはなりやすい傾向がありますが、妊娠前に高血圧でなかった場合でも発症する可能性があります。また、肥満がある、高年齢、家族に高血圧の人がいる、多胎妊娠などの妊婦さんはリスクが高いと考えられているので、急に顔や足のむくみが強くなった、目がチカチカする、重い頭痛などの場合はすぐに受診をしましょう。

頻繁に息切れをしてしまう

ホルモンの影響で妊娠初期から息切れを感じることがありますが、妊娠後期になると大きくなった子宮が横隔膜を持ち上げ、肺を圧迫することでさらに息切れしやすくなります。また、貧血によって血中の酸素が不足していることもその要因です。多くは安静にすれば落ち着くことが多いのですが、あまりにも頻繁で息苦しい場合は別の病気が隠れている可能性もあるため、医師に相談を。

むくみについて

足のむくみを強く感じるようになっているかもしれません。大きくなった子宮が血流を圧迫することに伴う、心配のないマイナートラブルであることがほとんどですが、そのままにしておくのも辛いですよね。

むくみを解消する方法としては、ウォーキングや足浴などをして血行を良くする、足を高くして寝る、医療用の着圧ストッキングを着用し適度に圧迫するなどがあります。

また、塩分の多い食事はからだが水分をためこもうとしてしまうために、むくみをより悪化させてしまいます。塩分を多く含む加工食品や惣菜などは控えるようにして、塩分の排出を促すカリウムを含む果物や野菜、いも類などを摂るように心がけましょう。利尿作用を高めるため、水分を多くとることも大切です。

あまりにもひどいむくみは、妊娠高血圧症候群や静脈瘤などが考えられることもあるため、辛いときは健診時に相談をするようにしましょう。

妊娠29週:よくある質問 

妊娠29週で逆子になったのですが、どうしたらよいですか? 

逆子と言われたとしても、妊娠29週はまだ自然になおる可能性のある時期です。逆子体操は妊娠30週前後が目安と言われていますが、医学的に有効性が証明されているものではありません。おなかの張りなどを感じることもあるので、逆子体操を検討している場合は医師に状態を確認したうえで行います。

また、逆子の矯正方法として、医師が行う外回転術という手技があります。妊娠36週以降に行われるもので、欧米では一般的な逆子の矯正方法ですが、行っていない病院もあります。

妊娠29週の妊婦健診って何するの?

妊娠29週頃の妊婦健診は2週間毎が一般的です。血圧が上がったり蛋白尿が出ていないか(妊娠高血圧症候群のサイン)、尿糖が出ていないか(妊娠週数が進むにつれて血糖が上がりやすくなるので、妊娠糖尿病の疑いがないか)、体重の増え方はどうか、などから妊婦さんの健康状態を確認します。超音波検査では赤ちゃんの大きさや赤ちゃんの動き、胎盤、羊水量などから元気さを確認します。

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