妊娠カレンダー / 妊娠28週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠28週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
監 修

河野照子 先生

医学博士
日本産科婦人科学会専門医
日本周産期・新生児医学会専門医 
日本超音波医学会専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠28週に知っておきたい大切なポイントは? 

妊娠28週となり、妊娠後期に入りました。おなかの赤ちゃんもしっかり育ってきましたが、分娩予定日はもうしばらく先。妊娠後期ならではの合併症やマイナートラブルに気をつけて、産後の準備も進めていきましょう。妊娠28週頃の赤ちゃん&妊婦さんの様子や気をつけておきたいアドバイスをお届けします。

妊娠28週は妊娠何カ月?

妊娠28~31週にあたる妊娠8カ月の第1週です。いよいよ妊娠後期となり、出産予定日まで残り3カ月となりました。

妊娠28週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠28週:赤ちゃんの大きさは?

妊娠28週になると、赤ちゃんのBPD(児頭大横径)は約7cm、FL(大腿骨長)は約5cmに成長。身長はだいたい35cm~40cm、体重は1,000~1,300gに。さらに骨格や筋肉がしっかりしてきました。

妊娠28週:赤ちゃんの様子は? 

脳が成長し、さまざまな動きを見せるようになっていきます。見る、聴く、嗅ぐといった五感もますます成長。聴覚の成長は著しく、大きな音が聞こえると心拍数が増えるとも言われています。

妊娠28週:赤ちゃんの発達は? 

妊娠28週頃の赤ちゃんは、ツルツルしていた脳の表面にしわがたくさんできてきます。脳に溝やひだができることで表面積が増えていき、人間ならではの複雑な思考や行動をとっていけるよう脳が活発に発達をしていきます。

妊娠28週:妊婦さんのからだは?

妊娠28週:妊婦さんのからだの様子は?

妊娠28週となり、妊婦さんのおなかはますます大きくなっていきます。体重が一気に増えるようになり、むくみやすくもなります。体重が増え過ぎると妊娠合併症のリスクが高くなるため毎日の食事のカロリー管理が必要。しかし大切な栄養素の摂取を減らしてしまうと赤ちゃんの発育にも影響がでてしまうため、食事の回数を減らしたり、特定の食材に偏ったりしないよう心がけましょう。

むくみに対しては塩分量の調整を。摂り過ぎた塩分(ナトリウム)を体外に排出する働きのあるカリウムを含む食物を摂るようにするのもいいでしょう。野菜や果物、海藻類、豆類などに多く含まれています。

妊娠28週:妊婦さんのおなかの大きさは? 

大きくなったおなかがせり出し、歩きづらさを感じる妊娠28週頃。子宮のなかで赤ちゃんが大きくなり、羊水の量も増えることで、おなかはまだまだ大きくなっていきます。おなかを守るために、立つときに腰を反ったり、座ったときに背中がまるまったりしがちなので、姿勢には気をつけるようにしましょう。

妊娠28週:妊婦さんが気をつけること・することは?

寝ているときに起こりやすいこむら返り

妊娠28週で起こるマイナートラブルの一つにこむら返り(足のつり)があります。寝ているときなどに、ふくらはぎや足の裏の筋肉が突然けいれんを起こして、収縮したままになってしまう状態のことです。 

妊娠中にこむら返りが起こる原因としては、大きくなった子宮が足の静脈を圧迫して血行が悪くなること、足が冷えていること、カルシウムやマグネシウムといったミネラルが不足していることが考えられますが、妊娠後期になると体重の増加で足の筋肉に疲労がたまってしまうことも原因となります。

こむら返りを起こしてしまったときは、床に座った状態で足を伸ばしてつま先を立て、からだのほうにゆっくり寄せます(パートナーが対応してくれる場合は寝たままの状態でも)。

おなかか大きくなって手が届かないようであれば、タオルを足のつま先にかけて左右の手で引っ張るようにします。しばらくやってみて治まらないようであれば、患部にホットタオルなどをあてたり、手でさすったりして温めてみましょう。また水分を補給することで改善することもあります。

自然になおることが多い逆子

おなかの赤ちゃんは発達が進むと、子宮のなかを活発に動き回るようになります。そのため出産に適した、頭を下に向けている「頭位」の状態から、頭が上になる「骨盤位」、いわゆる逆子の状態になってしまうことがあります。逆子の状態で経腟分娩を行うとさまざまなリスクを伴い赤ちゃんが危険なので、多くが帝王切開での分娩となります。

妊婦健診で逆子と言われると不安を覚えますが、妊娠28週頃は子宮のなかにまだ余裕があってママの骨盤に赤ちゃんが固定せず浮いている状態のため、赤ちゃんはいろんな向きに移動している時期です。出産が近づくにつれて自然と頭が下になっていくことがほとんどです。妊娠28~31週では約80%、32~35週では約65%が頭位になるというデータもあります。

逆子をなおす逆子体操は赤ちゃんの活動が落ち着く妊娠30週くらいから行うことが一般的。ただし、医学的に有効性が実証されているわけではありません。行う場合は、かかりつけの産院で、医師と相談の上で行うようにして。

常位胎盤早期剝離のサイン

「常位胎盤早期剝離」は妊娠28~36週頃に起こることが多いトラブルです。子宮の内側の上部にくっついている胎盤は、赤ちゃんに栄養や酸素を送り、老廃物や二酸化炭素を受け取る重要な役割を持つ臓器。出産時に排出されるまで赤ちゃんとともに育っていますが、その胎盤が突然子宮から剥がれ落ちてしまうことが、常位胎盤早期剝離です。出血や下腹部の強い痛みがあり、母子ともに危険な状態であるため、早期に受診が必要となります。

尿路感染症に注意

腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿路が細菌に感染し、炎症を起こしている尿路感染症。膀胱炎や腎盂腎炎などが尿路感染症にあたります。妊娠後期は子宮の圧迫で尿路が狭くなってしまうこと、ホルモンなどの影響があり、感染しやすい状態にあります。予防としては尿意を我慢しない、水分をしっかりとる、排便後は前から後ろに拭くなど。おなかが大きいと困難なこともありますが、重篤化してしまうと早産の可能性も出てきてしまうので、できるだけ予防しておくことが大切です。

妊娠28週のチェックリスト

里帰り出産の準備を進める

妊娠8カ月~9カ月に帰省する妊婦さんが多い、里帰り出産。産院によって里帰りの推奨時期が異なるため、申し込み時や妊婦健診の際に確認をしておきます。また交通手段も検討を。飛行機での移動は、出産予定日28日前以降は診断書が必要となります。予約の際などに航空会社や旅行会社に必ず確認しましょう。

◆必ず持ち帰るもの
・母子健康手帳
・マイナンバーカード(健康保険証)
・診察券
・病院の紹介状
・印鑑
・申請書類(出産した施設で医師に記入してもらうもの)

入院セットやママの衣類、赤ちゃんグッズなどはこちらから持って行くのか、帰省先で準備するのか検討し、必要であれば準備をします。

また、里帰り中のパートナーの生活についても確認しておきましょう。普段あまり家事をしない場合は、生活品や冷凍食品等の買い置き、必要な家事の練習など、2人で話し合いながら準備を進めておいて。また、産後自宅に戻ってきたときにすぐに赤ちゃんとママが快適に過ごせるよう準備を整えておくと安心です。

ベビーグッズはレンタルという方法も

ベビーグッズのなかでも、スペースが必要で高額なベビーベッドやハイローチェアなどは、まずレンタルなどを利用して必要かどうか確認してから購入するという方法もあります。ベビーカーやバウンサーなど生後すぐに使わないものは、実際に赤ちゃんとの生活がはじまってから揃えても遅くありません。ただし、産院から赤ちゃんを連れて自家用車で帰宅する予定なら、車に取り付けるベビーシートは必須。道路交通法にて定められています。

切迫早産では入院安静になってしまうことも

切迫早産と診断されたとき、軽度の場合は自宅安静となりますが、軽度でない場合や自宅で安静にすることが困難な場合は入院安静となることがあります。状態によっては診察後に即入院となることもあります。そのため、入院の準備はできるだけ早めにしておくことが肝心。荷物はどこにまとめてあるのか、上の子の預け先はどうするかなど、パートナーと詳しく話しておくと安心です。

結婚指輪はしておく?外す?

帝王切開での出産では手術となるため、貴金属の指輪は外す必要があります。普通分娩の予定でも、状況によっては緊急帝王切開になる可能性もあります。指輪が外せないと、手術ができなくなる場合もあるため、注意が必要です。また、妊娠後期になるとむくみのため指輪を外しにくくなることも。万が一に備えて、指輪を外す時期は調整しておきましょう。医師から事前に指示がある場合もあります。

妊娠28週:パパにできることは?

妊娠中はおなかのなかで赤ちゃんを育てていることから免疫力が低下しており、さまざまな病気にかかりやすい状態といえます。妊婦さんが病気にかかってしまうと、おなかの赤ちゃんに重大な影響を及ぼしたり、早産の原因になったりしてしまうことがあります。妊婦さんの感染のリスクを減らすためにも、パパも感染予防をすることが重要になります。手洗いやうがい、性交時のコンドームの着用、場合によっては予防接種も検討を。

また、野菜や果物はよく洗う、肉料理は十分に加熱するなど、食事においても注意が必要です。安全な出産のためにリスクに対して知識を深め、協力して臨んでいきましょう。

妊娠28週: お医者さんに聞くことは? 

早産の兆候があったら

早産となるリスクを避けるために、何らかの兆候を感じたら医師に確認をとりましょう。定期的なおなかの収縮がある、出血している、透明で水っぽいおりものがある、下腹部や腰に強い痛みがあるなどの症状を感じられたら、受診を。子宮頸管(子宮の出口)の長さの測定や内診で子宮口が開いていないか、NST(ノンストレステスト:おなかに器械をつけて、おなかの張りと赤ちゃんの心音を観察します)でおなかの張りの頻度をみることで、早産の恐れがないかなどを診察します。切迫早産と診断されたら医師の指示に従ってください。

妊娠初期に前置胎盤疑いと診断されていたら

子宮口をふさぐ位置に胎盤がある前置胎盤。赤ちゃんが産道に下りられないので、帝王切開での出産となりますが、妊娠初期頃に前置胎盤疑いと診断されていても、子宮が大きくなっていく過程で胎盤が移動していくことがあるので、現時点では解消されている可能性もあります。経過観察の場合は、いつごろまでに最終判断となるのか聞いてみるのもいいでしょう。前置胎盤は妊娠後期になると出血しやすいともいわれているので、疑いのある妊婦さんは注意を。

動悸やめまいは貧血症状かも

妊娠後期になると、さらに大きくなっていく赤ちゃんのためにママの血液量が増えます。その際、赤血球の造成が間に合わず、血液が薄まってしまい貧血状態になりやすくなります。赤血球の材料となる鉄分を含む食材やたんぱく質、ビタミンを含む緑黄色野菜を積極的に摂るようにして。診断によっては鉄剤を処方されることもあります。

妊娠28週:よくある質問 

妊娠28週で生まれるとどんなリスクがありますか?

正産期(妊娠37~41週)ではない、妊娠28週での出産は早産となります。妊娠28週ではまだ赤ちゃんのからだの多くの機能が未熟なため、病気にかかりやすい状態です。皮膚もまだ薄く、体温調整もままなりません。切迫早産と診断された場合は安静にするなどして、なるべく早産になるリスクを回避できるように過ごして。

妊娠28週での体重増加の目安は?

妊娠28~31週にあたる妊娠8カ月では、妊娠前から+5kg~7kgで、妊娠後期の1週間ごとでは200g~500gの体重増加が目安になります。今後さらに急激に体重が増えていく可能性があるので、出産時のリスクを減らすためにも体重の管理を行うようにしていきましょう。

妊娠8ヶ月で気持ち悪いのはなぜですか?

妊娠28週頃もつわりのように気持ち悪さを感じることがあります。吐き気や嘔吐、胃痛、胃のむかむか、胸やけ、げっぷなど、つわりと似た症状がでることから、医学的な用語ではありませんが、「後期つわり」と呼ばれることもあります。

妊娠28週頃にこのような症状がでるのは、大きくなった子宮が胃や腸を圧迫したり、プロゲステロンというホルモンの分泌量が増え、胃や腸の筋肉を緩ませて消化器官の運動を低下させてしまったりするため。食事の1回量を減らして小分けに食べる、消化の良いものを食べる、食後すぐに横にならない、などを心がけてみましょう。それでも胃痛やむかつきが強い時は、胃薬を用いる場合もありますので、医師に相談を。

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