妊娠カレンダー / 妊娠18週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠18週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
井畑穣
監 修

井畑穣 先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医
日本婦人科腫瘍学会認定 婦人科腫瘍専門医
よしかた産婦人科勤務

妊娠18週に知っておきたい大切なポイントは?

出産予定日(妊娠40週0日)までの折り返し地点が近づいてきました。体調が安定し、妊娠状態にも慣れてきた頃でしょうか。運動をして体力をつけたり、パートナーとの思い出づくりをしたり、活発に動きやすい時期です。だからこそからだのSOSサインの見逃しには注意を。おなかの張りや出血、貧血など、妊娠18週頃に注意しておきたいことや、やっておきたいことをご紹介します。

妊娠18週は妊娠何カ月?

妊娠16~19週にあたる妊娠5カ月の第3週です。

妊娠18週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠18週:赤ちゃんの大きさは?

おなかの赤ちゃんの重さは200g程度、頭からおしりまでの長さ(頭殿長/CRL)は14~15cm程度になりました。頭の大きさ(児頭大横径/BPD)は4cm程度。これらの数値は超音波検査写真にアルファベットで記載されていることがあります。

そろそろ赤ちゃんの推定体重も計測されはじめる頃。ただしこれは赤ちゃんの頭とおなかと大腿骨の長さから算出する大まかな推定値です。医師から指摘されない限り、推定体重はあくまで目安なので、増減を気にしすぎないようにしましょう。

妊娠18週:赤ちゃんの様子は?

寝たり起きたりを繰り返し、起きている時はよく動いています。上体を後ろにそらしたり、足を前に伸ばしたり。羊水の中で活発に動いているので、赤ちゃんの手足が子宮の壁にあたったときは、腸が動いたようなわずかな胎動を感じられるかもしれません。

妊娠18週:赤ちゃんの発達は?

外耳が頭から突き出てきて立ち上がり、耳らしくなってきます。聴覚機能も発達し、外の音にも反応するように。おなかのなかで赤ちゃんが一番聴こえている音はママの心音と声です。

赤ちゃんが女の子の場合は、すでに子宮の中で原始的な卵子がつくられています。妊娠6カ月頃がピークでその数なんと約700万個ともいわれています。その後、自然と減少し、約200万個の卵子の元をもって生まれてきます。

妊娠18週:妊婦さんのからだは?

妊娠18週:妊婦さんのからだの様子は?

胎盤が完成し、ホルモンバランスも安定してきて妊娠状態が落ち着いてきます。快適に過ごせることでアクティブに動きたくなる人もいるでしょう。お産に向けた体力づくりのため妊娠中の適度な運動は推奨されていますが、血液量の増加にともなう息切れやめまいを起こしやすいので、激しい運動は避け、体勢に気をつけながら行ってください。また、おなかが大きくなるにつれ、腰や背中に負担が増してからだの痛みも増えてきます。

妊娠18週:妊婦さんのおなかの大きさは?

おなかが少しふっくらして目立つようになってきます。子宮は大人の頭ぐらいのサイズになり、子宮の上部はおへその下あたりまできています。ホルモンの影響で脂肪を蓄えやすい体質になっているので、からだ全体がふっくらと丸みを帯び、妊婦さんらしい体型に近づきます。

妊娠18週:妊婦さんが気をつけること・することは?

おなかが張ってないかチェック

子宮は主に筋肉でできており、その筋肉が収縮してかたくなることを「おなかが張る」と表現します。おなか全体がかたくなったような感覚だったり、子宮がきゅっと縮む感覚だったり、感じ方は人それぞれ。苦しく感じる人もいれば、同じように張っていても全く気づかない人もいるような個人差がある感覚です。妊娠20週頃から感じやすくなります。

子宮が大きくなるときにも起こるので、軽い張りなら心配ないことがほとんどですが、定期的に強く張ったり、性器出血を伴ったりすると注意が必要です。流産・早産につながるリスクがあるので、異変を感じたらすぐに受診するようにしてください。

[おなかの張りを防ぐコツ]
・からだを冷やさない
・疲れやストレスをためない
・重いものをもたない
・激しい運動やセックスを避ける

髪や肌のトラブルを予防

妊娠すると分泌が増える女性ホルモン・エストロゲンやプロゲステロンの影響でメラニン色素を作るメラノサイトが活性化され、色素沈着が起こりやすくなっています。シミやそばかすができやすいので、紫外線対策は万全に。肌が乾燥し、敏感になっていることもあるので、日焼け止めクリームは低刺激のものを選ぶといいでしょう。

栄養が赤ちゃんに優先的に送られることで抜け毛が増えたり、髪の毛にコシがなくなったりすることも。気になる人は、髪にいいといわれる海藻類をとる、頭皮マッサージで血流を促すなどしてみて。ホルモンバランスが元に戻る産後3カ月~半年頃にも抜け毛に悩むママが増えます。

家事や日常の動作に気をつける

体調がよければ、家事は続けても問題ありません。しかしおなかが大きくなると動きづらくなるので、安全への配慮も必要です。特に前かがみになることが多いお風呂掃除や片付けは、転倒しないよう手をつきながら行ってください。前かがみになるとおなかが圧迫され、動悸や息切れを引き起こすこともあります。「がんばりすぎず、休みながら」を心がけて。

[気をつける日常動作]
・床にあるものを拾うときは、前かがみにならず、ひざを曲げて腰を落としてしゃがむようにして。
・階段を上り下りするときは、手すりか壁に手を添えてゆっくりと。おなかが前に突きだし重心が不安定なのと、足元が見えづらくなるので、降りるときは一歩一歩慎重に。
・起きあがるときは、両手を床について横座りになりながら、まず上半身を起こして。その後ゆっくり立ち上がります。

足のむくみが酷いときは

血液中の水分が増えることで腎臓に負担がかかっているのと、大きくなった子宮に圧迫されて血流が悪くなり、手足がむくみやすくなります。すねを押して戻りが悪ければ浮腫(むくみ)と判断します。むくみに加えて、血圧の上昇やたんぱく尿があった場合、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を疑わなければなりません。むくみから始まる妊娠高血圧もありますので、よくあることだからと軽視するのは禁物です。

足を心臓より高い位置にして横になったり、着圧ソックスを履いたりするとむくみ防止に効果的です。

カルシウム補給でこむら返りを予防

ふくらはぎの筋肉が痙攣して足がつることがあります。体重が増え下半身の血流が悪くなることで、妊娠中期~後期に起こりやすくなります。下半身の冷えやカルシウム不足、水分不足が原因とも言われています。就寝前にふくらはぎの筋肉を伸ばすマッサージやストレッチをするのもいいでしょう。

めまいや立ちくらみに注意

赤ちゃんに優先的に血液を送っていることにより、めまいや立ちくらみを起こしやすくなっています。姿勢を変える時はゆっくりと。立ち上がるときは壁などに手をついて転倒を防ぐことも意識しておいて。脱水も要因のひとつなので、水分不足にならないよう心がけてください。

貧血予防に鉄分を補給して

赤ちゃんに栄養と酸素を届けるために血液量が増えています。酸素を運ぶ「ヘモグロビン」をつくるために必要な鉄分をしっかりとって、貧血を予防しましょう。貧血になると、動悸や息切れだけではなく、赤ちゃんの発育に影響がでることも。妊娠前と比べて約3倍の鉄分摂取を目標にしてください。

葉酸も貧血予防に効果的

妊娠前や妊娠初期に積極的に摂ることが推奨されている葉酸ですが、中期以降も妊婦さんにとって大切な栄養素のひとつです。葉酸は赤血球をつくるのを助ける働きがあります。血液量が増える中期、後期以降もきちんと摂取することで、貧血予防に役立ってくれるでしょう。葉酸は緑黄色野菜などに多く含まれます。

妊娠18週のチェックリスト

食事の栄養バランス

胎盤が完成すると、妊婦さんがとった栄養がしっかりと赤ちゃんに届くようになります。赤ちゃんを育む元となるエネルギー源はもちろん、からだづくりのためのたんぱく質、血液をつくるための葉酸や鉄分、骨や歯を作るためのカルシムなど、さまざまな栄養素が必要です。塩分や糖分を摂りすぎていないか、必要な栄養素が摂れているかなどもチェックしながら食事をとるようにしてください。

歯科健診の計画

妊娠によって分泌が増える女性ホルモンの影響で、妊娠中は歯周病や虫歯になりやすい状態になっています。自治体によっては妊娠中に歯科健診を無料で受けられるところもあります。虫歯になっていたら複数回通うことになるのと、出産間際や産後は通いづらくなるので、体調が落ち着くこの時期が受診のチャンスです。

痩せすぎのリスクを知っておく

安全な出産のためには痩せすぎにも注意が必要です。ママの栄養状態が悪いと赤ちゃんがしっかり育てず、出生体重が2500g未満の低出生体重児になるリスクがあります。

妊娠中から過剰な体重コントロールをしている、もともと偏食でバランスの悪い食生活の習慣がある、妊婦さん自身も含めて周囲にヘビースモーカーがいる場合などに、赤ちゃんが低出生体重児になってしまうことが多くあります。

これらの要因がまったくなくても低出生体重児になることはありますが、妊娠中に十分な栄養をとることは、より安全なお産のために大切なことです。

低体重で生まれた場合、赤ちゃんの体温を維持する力が弱かったり、哺乳力が弱くて体重増加が難しかったり、呼吸そのものが難しくて呼吸障害になったりする可能性が高まります。また、その後の成長においても、発達障害や成人病のリスクが高まるかもしれないと報告されています。

早産などで、やむを得ず低体重で出生することもありますが、食生活を含めた家族の生活習慣を改善することで低体重の可能性を減らすことができます。まずは妊娠中の適切な体重増加を意識しましょう。

性別のこと

妊娠15~16週頃には妊婦健診の超音波検査で性別を判断できるようになります。ただしまだ成長が十分ではないのと、赤ちゃんの体勢によっては判別しづらいので、医師の判断や産院の方針でまだ伝えてもらえないことも。焦らず楽しみに待っていてください。

子宮頚管無力症について

分娩時までしっかり閉じているはずの子宮口が、開いてはいけない時期に開いてしまい、流産や早産などの原因となる「子宮頚管無力症」という病気があります。自覚症状がないので妊婦健診での検査や、実際に切迫流産・早産の症状が出たときに気づくことが多いです。その際は子宮口を縛る手術をして流産・早産を防ぐことがあります。

流産の兆候を知っておく

妊娠22週未満に妊娠が継続できなくなることを流産といいます。何かトラブルがおきたときの二大サインは「性器出血」と「おなかの張り・痛み」です。流産になりかけている切迫流産の場合は、出血がみられても早く治療を開始すれば流産を食い止めることができる場合も多いので、サインを見逃さないようにしましょう。

妊娠18週:パパにできることは?

妊娠中に気をつけなければならないことのひとつが、子宮が収縮するおなかの張りです。場合によっては流産の可能性が疑われることも。疲れやストレス、激しい運動やセックスで引き起こされることがあるので、おなかが張っている時は、パートナーを休ませてあげてください。なお、精液中には子宮収縮を促進するホルモンが含まれており、コンドームをつけないセックスは流産の原因の一つになると考えられています。

妊娠18週: お医者さんに聞くことは?

おなかの痛みやリスクの兆候について

妊娠18週頃に注意が必要なおなかの痛みや、受診が必要なサインを確認しておきましょう。おなかが張りに不安がある場合は、医師にどんな状態か詳しく相談してみましょう。

激しい運動をするときは

からだやおなかに負荷がかかる運動をするときは相談を。今までやっていたことでも、おなかが大きくなり体勢が不安定になる妊娠中期、後期には不向きな運動もあります。注意点などもあわせて確認しておくといいでしょう。

日常の不快な症状について

むくみがひどい、便秘がつらいなど、日常のちょっとした不快な症状でも、実はからだからのSOSサインだったり、早めに解消することで大きなトラブルを避けられたりする場合があります。気がかりなことは、遠慮せず相談を。

妊娠18週:よくある質問

妊娠18週でおなかは出ますか?

妊娠18週頃はおなかが少しふくらみ始めています。個人差はありますが、おなかのふくらみで妊娠に気づかれる人もいるでしょう。子宮は大人の頭のサイズくらいまで大きくなっています。

妊娠18週で性別はわかりますか?

赤ちゃんの外性器が形成され、超音波検査で性別がわかる頃です。足の間にうまく陰茎が映れば、男の子は判明しやすいでしょう。妊娠17~18週になると、女の子も木の葉のようなマークが見え、性別がわかりはじめます。ただし、赤ちゃんの体勢によっては判定が難しいこともよくあるので、焦らず楽しみにしていてください。

妊娠18週です。おなかがポコポコするのは何ですか?

赤ちゃんが羊水のなかで活発に動いているので、早い人は胎動を感じられます。おなかがポコポコする、腸のガスが動く、おなかで小さな魚がはねるような動きを感じられたら、胎動かもしれません。

妊娠18週です。体重はどれくらい増えていいですか?

妊娠前の体重+約2~4kgの体重増加が目安となります。ただし、これはあくまで目安であり、もともとの体重や妊娠の状況によって体重増加のペースは異なります。

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