妊娠カレンダー / 妊娠5週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子
2025.05.28

妊娠5週の赤ちゃんの成長・発達と妊婦さんの様子

sugiurayuko
善方裕美
監 修

善方裕美 先生

よしかた産婦人科院長
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
横浜市立大学産婦人科客員准教授
母体保護法指定医
日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医

妊娠5週に知っておきたい大切なポイントは?

月経予定日から1週間が過ぎ、「妊娠したかも?」と気がつき始める時期。早ければ、微熱、倦怠感、眠気などの「妊娠初期症状」があらわれる人もいます。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、まずは産婦人科を受診して正常妊娠かどうかをチェックしましょう。妊娠が確認できたらたばこやアルコールは速やかにやめ、生活習慣を見直すことが大切です。そんな妊娠5週頃に注意しておきたいことや、やっておきたいことをご紹介します。

妊娠5週は妊娠何カ月?

妊娠5週は、妊娠2カ月の第2週にあたります。超音波検査では、赤ちゃんが入った袋「胎のう」が確認できる頃。この時期は「器官形成期」といって、赤ちゃんの脳や脊柱、心臓などの大切な臓器が急ピッチで形づくられていきます。

妊娠5週:赤ちゃんの成長・発達は?

妊娠5週:赤ちゃんの大きさは?

赤ちゃんの大きさは2mm程度です。今はまだ「胎芽」と呼ばれる状態で、長い尾やエラがありタツノオトシゴのような形をしています。

妊娠5週:赤ちゃんの様子は?

赤ちゃんは、「胎のう」という袋の中にいて、脳や心臓、神経といった、生きていくために不可欠の大切な組織が急速に形づくられている最中です。心臓の拍動が確認できるのはもう少し先になります。

妊娠5週:赤ちゃんの発達は?

初めに「原始線条(げんしせんじょう)」という1本の溝が現れ、次第に脳や脊髄となる部分ができます。「脊索(せきさく)」という背骨となるところや、心臓となる部分の原型が現れ始めるのは5週の終わり頃。赤ちゃんは両生類から哺乳類という生物進化の過程をたどりながら急速に人の形へと発達していきます。

妊娠5週:妊婦さんのからだは?

妊娠5週:妊婦さんのからだの様子は?

月経予定日から1週間が経過しており、妊娠が成立していれば、今週がだいたい「妊娠5週」にあたります。まだ体調に変化がなく、妊娠に気づかない人もいる時期ですが、早ければ妊娠初期症状があらわれ始めることも。トイレが近くなったり、おっぱいの張りを感じたり、ニキビや肌荒れがあらわれたりと、普段とは違うからだの変化が徐々にあらわれ始めます。

妊娠5週:妊婦さんのおなかの大きさは?

妊娠5週の子宮の大きさは、レモン大程度であるため、妊娠前と比べても、見た目で妊娠を判断できるほどおなかはふくらんでいません。

妊娠5週:妊婦さんが気をつけること・することは?

妊娠検査薬で陽性が出たら産婦人科を受診する

妊娠検査薬で陽性反応が出ても、正常妊娠かどうかは産婦人科を受診しないとわかりません。「妊娠したかも」と思ったら、まずは産婦人科を受診しましょう。ただし、妊娠5週の前半だと、まだ胎のうが見えないこともあります。生理予定日から2週間前後(妊娠6週)が受診のベストタイミングといえるでしょう。

初めての妊婦健診では、尿検査、診察、超音波検査を行い、赤ちゃんの発育状態や、問題のない妊娠かどうかを確認します。卵管や卵巣などの子宮外で妊娠が起こる「異所性妊娠」をしている場合は、妊娠部位の破裂による出血リスクなどがあるため、手術が必要になることが多いです。

少量の出血があったら

少量の出血は、妊娠4〜5週頃の妊娠初期によくみられる症状で、2〜3割程度の妊婦さんが経験するといわれています。その原因はさまざまですが、問題ないことも多いので、まずは一旦落ち着いて、半日~1日様子を見てみましょう。ただし、出血が大量であったり、腹痛があったり、2日以上続けて出血している場合は、即座に産婦人科を受診しましょう。

少量の出血の原因としては、着床する際に受精卵が子宮内膜を傷つけて出血が起こる「着床出血」、胎のうのまわりにできた血液の塊から出血する「絨毛膜下血腫」、子宮頸部や腟が刺激を受けることによって引き起こされる出血などが考えられます。

たばこ、お酒をすぐにやめる

妊娠がわかったら、たばこ、お酒はすぐにやめましょう。妊娠中に多量のお酒を飲むと、アルコールの成分が胎盤を通じて赤ちゃんに影響を与え、発育不全や障害を引き起こすことがあります。また、たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があり、赤ちゃんに十分な酸素や栄養がいかず、早産を引き起こしたり、低出生体重児になるリスクが高まります。

妊娠に気づく前に、飲酒や喫煙をしてしまっていても、その時点からやめれば赤ちゃんへの影響はほとんどないといわれているので、心配しすぎなくても大丈夫。ただし、長期間にわたって大量に摂取してしまった場合など、心配な人は医師に相談を。

薬やサプリメントの服用に注意

妊娠初期は薬やサプリメントの服用に注意が必要な時期です。特に赤ちゃんの重要な器官が作られる妊娠5週は、薬の影響を受けやすい時期。市販の薬やサプリメントは、妊娠中に服用しても問題ないかどうか医師に確認しましょう。また、病院で薬を処方してもらう場合には、妊娠中であることを必ず伝えましょう。

赤ちゃんの成長に必要な葉酸を積極的に摂取

葉酸は、ほうれん草やブロッコリー、枝豆などの緑黄色野菜やレバーなどに多く含まれるビタミンB群の一種です。葉酸は、胎児の脳や脊髄の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすために必要な栄養素で、妊活中〜妊娠中は積極的に摂取することを推奨されています。この時期の妊婦さんの場合、毎日の食事で摂取できる葉酸に加えて、サプリメントなどの栄養補助食品から1日400µgの葉酸を追加で摂取しましょう。

妊娠5週のチェックリスト

産婦人科を決める

産婦人科探しを始めましょう。出産するのは必ずしも初回健診で訪れた病院でなくても大丈夫。施設の特徴や通いやすさ、出産費用などを比較してじっくり検討してみて。出産できるのは大きく分けて、総合病院・産科専門のクリニック・助産院の3つです。立ち会い分娩や無痛分娩など、妊婦さんが希望する分娩方法を行なっているかどうかも選び方のポイントになります。産婦人科によっては、見学を行っているところもあるので、院内の雰囲気が気になる人は自分の目で確かめてみるのもいいでしょう。分娩する施設が決まったら今後の予約を入れて、緊急連絡先を確認しておきましょう。

総合病院

産婦人科以外の診療科目が多くあり、NICU(新生児集中治療室)があるところもあります。他の診療科との連携がとりやすいので、持病があったり、多胎妊娠、切迫早産など、リスクが高い人は安心です。

産科専門の病院・クリニック

お産を専門とする病院・クリニックで、妊娠・出産の専門医や設備が充実しています。分娩スタイルや妊娠中、入院中のケア、産後のフォローまで、産院によってさまざまな特色があります。緊急時には高度医療ができる病院へ搬送されることが多いです。

助産院

助産師が分娩を介助する施設です。アットホームな雰囲気で自分ののぞむ形で出産できることが特徴です。ただし助産師は医療行為を行えないので、リスクが低い妊婦さんのみの受け入れとなり、緊急時には提携先の病院へ搬送されます。

食生活の見直しをする

妊娠中に、摂り過ぎてはいけない食材、避けた方がいい食材を確認しましょう。例えば、本マグロ、メカジキ、キンメダイなどの魚には、水銀が多く含まれているため、摂り過ぎには注意が必要です。これは、自然界に存在する水銀が食物連鎖によって大きな魚に取り込まれているためで、妊婦さんが水銀を多く含む魚をたくさん食べると、おなかの赤ちゃんの発育に影響を与える可能性があるといわれています。水銀を多く含む魚を食べる場合は、1週間に80g程度(刺身なら1人前、切り身なら1切れ)が目安です。サケ、サンマ、イワシ、ブリ、カツオ、ツナ缶などは、通常の量を食べても差し支えありません。

また、スモークサーモンや生ハム、ナチュラルチーズなどの「加熱していない加工品」は、妊娠中は避けたほうがよいです。食中毒菌である「リステリア」が含まれている可能性があるためで、妊娠中に感染すると、早産や流産の原因になったり、胎児に影響が出ることがあります。また、トキソプラズマ感染症も加熱加工していない生肉が原因となるので、注意が必要です。肉を食べるときは十分に火を通すようにしましょう。

パートナーに妊娠を伝える

パートナーに妊娠を伝えましょう。体調が急変した時の連絡先を共有したり、今後のサポートについてもじっくりと相談を。

妊娠期間の過ごし方をイメージする

これから始まる長い妊娠期間。妊娠がわかる5週から出産までの期間は約8カ月間です。健やかなマタニティライフを送ることができるように、どんなことに気をつけて生活をしたらいいのか、今のうちからイメージしておきましょう。初期、中期、後期で過ごし方の注意点なども変わってくるので、パートナーと一緒に勉強しておくのがおすすめです。

妊娠の記録をつけ始める

妊娠中は、体調や気持ちが目まぐるしく変化します。マタニティ日記をつけてみたり、おなかの写真を撮ってどんどん大きくなっていく様子を記録してみたり、妊娠中という特別な期間のからだや心の変化を楽しんでみて。赤ちゃんが生まれた後には、その記録がきっと宝物になっていることでしょう。

妊娠5週:パパにできることは?

妊娠が判明したばかりの妊娠5週は、ホルモンの急激な変化によって、気分の浮き沈みが激しくなったり、からだが疲れやすくなっています。まずはママの気持ちに寄り添って、どんなサポートが必要か話し合う場を持ってみて。家事や食事作りはパパが積極的にやってあげるといいでしょう。

妊娠5週: お医者さんに聞くことは?

赤ちゃんの状態について

初めて受診する人も多い妊娠5週。わからないことや心配なことは、遠慮せずにお医者さんに聞いてみて。超音波写真を見ながら、赤ちゃんが今どんな状態なのか、詳しく説明してもらうといいでしょう。

妊娠中の過ごし方について

妊娠中の食生活や運動など、日常生活を送る上での注意点を確認しましょう。からだをよく動かす業務がある人は、仕事を続ける上でどんなことに気をつけたらいいか、聞いてみるといいでしょう。

今後の妊婦健診について

妊娠が判明してから出産するまでの間、定期的に妊婦健診に通うことになります。どのくらいの頻度で健診を受けるのか、今後のスケジュールについて確認しておきましょう。

妊娠5週:よくある質問

妊娠5週です。妊娠中の症状が全くなくて心配です。

産婦人科で妊娠していると言われたのに、なんの症状も感じないと「本当に妊娠しているのかな?」と不安になってしまう人もいるでしょう。でも、妊娠5週はまだ妊娠に気づかない人もいるくらいの時期です。まずは、「きっと大丈夫!」と落ち着いて、次の健診の日を心待ちにしてくださいね。この先徐々に辛いつわりが始まって活発に動けなくなる可能性もあるので、症状のない今のうちに身の回りの用事などを片付けておくのもいいでしょう。

妊娠5週に入った頃から、わけもなくイライラしたり、気分の浮き沈みが激しいです。なぜでしょうか?

妊娠すると、妊娠を維持するために必要な女性ホルモン「プロゲステロン」の量が急激に増加します。妊娠5週は、ホルモンバランスが大きく変化することによって、情緒が不安定になりやすい時期です。多くは一過性のものなので、生活リズムを整える、温かいお風呂に浸かる、十分に睡眠をとるなど、ストレスを解消する方法を見つけて、リラックスして過ごせるように工夫してみてください。

妊娠5週ですが、流産の兆候が知りたいです。

妊娠12週未満に起こる流産は「早期流産」と呼ばれ、全流産数の8割以上を占めています。妊娠5週の健診で胎のうが確認できても、その後に流産してしまうケースも全体の約15%あります。「早期流産」は、ほとんどが染色体異常など、赤ちゃん側の理由で起こるため、妊婦さん自身のせいではありません。

茶色のおりものや出血が断続的にみられる、下腹部が張って痛みやだるさがある、といった症状が出ている場合、流産の心配があるため、産婦人科を受診しましょう。

妊娠5週ですが、猫を飼っています。妊娠に影響はないでしょうか?

猫のフンの中には、トキソプラズマ原虫の卵が寄生していることがあります。妊婦さんが「トキソプラズマ症」に感染すると、胎盤を通じておなかの赤ちゃんに感染し、「先天性トキソプラズマ症」を発症する可能性があります。フンを触ることで感染するので、猫のトイレ掃除は手袋をして、処理をした後は手洗い、うがいを必ずして。できれば、他の家族にやってもらいましょう。

室内で飼っている猫であれば、過剰に心配する必要はありませんが、妊娠中に新たに猫を飼ったり、野良猫を触ったりするのはできるだけ避けて。

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